書聖 王羲之
書道を始めると必ず聞く中国の書家の名前があります。それがタイトルにもある王羲之(おうぎし/303~361)。東晋の時代に活躍した人で、楷書・行書・草書のみならず、さまざまな書体に秀で、「書聖」として、中国書道の象徴的な存在とされています。王羲之は、特に行書・草書に優れたといい、中でも「蘭亭序」は名高く、書を学ぶ上では、必ずといっていいほどお手本に利用されます。「蘭亭序」は、王羲之が名士を蘭亭という場所に招いて催した曲水の宴で作られた詩の序文を書いたもの。酔いに任せて書いた書を、改めて書き直そうと思ってもこれ以上の書は書けなかった…との話も残っています。その後、唐の時代の太宗皇帝(598~649)は、王羲之の書をことのほか気に入り、死後、集めた書をすべてお墓に持って行ってしまったそうです。そのため、現代においては王羲之の真筆は残っていないのだとか。だから、今、私たちが学んでいる「蘭亭序」は王羲之の書を臨書(まねて書き写した書)した書ということになります。王羲之が活躍した300年代は、日本は古墳時代と呼ばれる時代でしたが、平安時代になると、その影響は日本にもおよびます。そして、王羲之の書を学んだ空海や小野道風といった能書家が登場し、日本書道が発展していくのです。ちなみに、空海(774~835)は、真言宗の開祖であるとともに能書家としても知られ、嵯峨天皇、橘逸勢とともに、三筆と呼ばれています。一方、小野道風(896~966)は平安中期の能書家で、藤原佐理、藤原行成とともに、三蹟と呼ばれています。今日の文章はちょっと固かったですかね。お勉強モードになると、どうしても言い回しが難しくなってしまいますところで、今回は日本の書道史も調べようと私が学生時代に使っていた日本史の参考書を引っ張り出したのですが…なんと、そこにも王羲之の名前がこの参考書はかなり熟読したはずなのですが…全然覚えておりませんでした…