入院中に「日記つけとけば後々役に立つかもよ」とアドバイスを貰うことが多かったんです。
最初はつけてたんだけど、
そこに並ぶ言葉はいつも「つらい」「苦しい」「抗がん剤やめたい」ばかりで。
マイナスな感情の羅列って、見てるだけで気持ちも落ちてくるんですよね。
特に日記って、その時の情景もセットでよく思い出せるじゃないですか。
だからわたしは、あえて残さないように書くことを辞めたんです。
忘れることも大切。
記憶を手放しても、乗り越えてきたことって
心に残っているもの。
闘病記が残ってないから、よく取材とかでは
ガッカリされるのだけど(笑)
病気のことを発信しようなんて最初は全然
考えてもなかったし、リアルタイムだったら辛すぎて本当無理だったと思います。
わたしは強いんじゃなくて、
過去と自分を切り離せるところまでこれたから、ようやく振り返れるんです。
だからこうして、当時のことを書くときに
気をつけていることが一つ。
忘れたことは素直に手放す。
無理に思い出したり、言葉にしようとすると
都合のいい記憶になってるかもしれない。
フィクションにしないことを心掛けています。
〈この記事を読んだ方にオススメ〉
水谷隼と輸血患者のストーリー 出演中!