『親に知ってもらいたい国語の新常識』井上志音、加藤紀子著

を読みました!!



 

 

 

「頭のいい子にするには~」的な本は、最近はあんまり好きじゃなくて(というかあまり共感できない)、読まないんですが、教育のトレンドや学校教育の今がわかるような本は読むようにしています。

 

今度またレビューを書きますが、この本もかなり教育観をアップデートさせてくれてよかった。


 

 

 

さて、『親に知ってもらいたい国語の新常識』についてですが、

この本、めちゃくちゃ面白かったです。


「なぜ文学を読むのか?」という項目は、特に読書好きな方には共感できるポイントが多いかも。



 

今の国語教育がどうなっているか、自分の時代との違いがわかるとともに、


現代の国語教育の課題、世界の教育とのズレなどにも言及し、

英語力重視の幼児教育にモノを申していたり、とにかく私的には納得できる話が多かったです。

 

著者の井上さんは灘中高の国語の先生なので灘中高の国語の授業の話なんかも出てきて面白かったです。

 

 


面白かった部分を一部紹介します。


 

2022年から高校国語の新学習指導要領では、「現代の国語」と「言語文化」を週に2回ずつ行うことになったそう。(それとは別に選択科目もあるが)



「現代の国語」では評論文を、「言語文化」で小説、詩歌、古文、漢文すべてを行うそうなんですが、入試対策として古文漢文にウエイトを置かざるを得ないので、どうしても小説を扱う時間がないと。


 

その結果なにが起きるか…



個人の体験や具体的な経験をないがしろにする風潮に拍車がかかる」と著者らは指摘しています。


個人の体験など客観性のないものは聞くだけ無駄という態度、

まさに

それってあなたの感想ですよね

という物言いが子供の間で流行っていることが、それを象徴していますね。

 

ひるがえって、海外では

「あなたは何をしてきたのですか?」

という個人の体験が重視される。

このギャップは大きいと指摘されています。

 

同じようなことは、『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』でも指摘されていたように思います。


 

 

 

読書を「娯楽」ではなく、「情報」として楽しむ人が増えている、

自分には関係のないノイズのない情報だけがほしい。

映画を早送りで見る若者たち、本の売り上げは落ちているのに自己啓発本だけは好調という現象

 

こういったことが指摘されていました。

 

二つの本を照らし合わせると、これからますます「他人の経験や意見」を軽視する傾向は進みそうだな~と

思うとともに、


「それってあなたの感想ですよね」という考え方の人だらけになった日本社会はおそろしいなと暗い気持ちになります…


まぁでも私的には、

「教育がこうだから→こういう人が増える」という因果ではなく、「社会が忙しすぎるから→こういう人が増えるし、教育もこうなる」なんだろうと思うんですよ。

人間、余力と時間がないと、読書もできないし、考えを深めることもできないし、他人に関心を持てないですよ。だからこそ、私は子どもには余白の時間を沢山与えたいと思うんです。


 

『親に知ってもらいたい国語の新常識』では、子どもの国語力を上げるために家庭でできる教育についても

アドバイスがありますが、これは納得できることばかりでした。

 

というのも手前味噌ですが、私自身がここ数年で結構国語力が上がったなと感じているのです。

この数年で私が実践してきたことが結構書かれていて!!

 

私は4年前に専業主婦になったことをきっかけに、読書量がかなり増えました。

さらに、ブログで書評を書くようになりました(このブログはもともとは書評ブログです。かなりの部分を下書きに戻していて公開していないのですが…)。

 

3年前、書評第一号はこんな感じ。




もはや書評でもなく、ただの要約でした。

このころは、本の内容を備忘録としてまとめることしかできず、自分の感想がなかったんです。

記事一つ書くにも時間がかかりました。

 

でも最近は、読書をするとぶわ~っと自分の意見があふれ出てきて、書かずにはいられない。


要約部分はかなり減りました。これは、著作権やネタバレへの配慮もあるんですけど、意見部分を書く方が楽しいし、本の内容が記憶に残るからです。

書きながら思考を深めるというか…。

 

読書量が増えてきたおかげで、読んだ本だけでなく、関連する本の内容を踏まえつつ、

評価できるようになってきました。本の内容を鵜呑みにせず、評価できる点、できない点も分けられるようになってきました。


これがクリティカルシンキングなのかな?って自分では思っています。

 

コレとか、書きたいことが溢れて止まらなかったやつ。


読書だけでなく、ニュースや日常会話でも、かなり自分の意見が出せるようになってきたと感じます。


最近始めたパートでも、意外と自分の能力が劣化していない、

むしろこの4年間で結構、人の話を理解する能力が上がったかな…とさえ思えるときがあります。

(自慢話みたいになってすみません)

 

ブログの文章能力はまだまだ低いですが、少なくとも文章理解の方は向上している気がします。


 大学時代は周りが優秀な中、自分は中身が伴わず悔しい思いをしたし、劣等感を抱くことも多かったですが、  


やーーーっと、今さら中身が伴ってきたかも…と思えるように!


以前なら小論文やグループディスカッションは回避してきましたが、今はむしろそっちで勝負してみたいと思ったりもします😄



最後になりますが、私がわが子に国語力を上げるためのアドバイスするとしたら、

 

①何でも良いから好きな本を読め

(読書が嫌いなら、アニメや映画でも良いと思う)

②ブログ、ツイッターなどなんでも良いから、書評を書け(映画ならFilmmarksに書く)

③同じ本を読んだ他人のレビューを見よ(私は必ずアマゾンのレビューと読書メーターのレビューを読みます)


 

この3つですね~。特に③は学びが多いし、楽しいです。読了したあとのプラスαの楽しみなんですが、本文を読む以上に楽しみかも…😆



 

私が追加でやってみたいのは、「読書会」に参加することです。

同じ本を読みあって感想を語る…的なサークルがあったら、参加してみたいな~と思います。

 

 

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