ちょっと下のネタが入りますので、苦手な方はお読みにならないことをお薦め致します。
本日はBARBEE BOYS「目を閉じておいでよ」(1989年リリース) です。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240622/02/tomotuba007/d2/65/j/o0300030015454385540.jpg?caw=800)
BARBEE BOYSはKONTAさん(ボーカル・サックス)、杏子さん(ボーカル)、いまみちともたかさん(ギター)、ENRIQUEさん(ベース)、小沼俊明さん(ドラム) の5人で構成されたロック・バンドです。1982年に男性4人組で結成されましたが、当時、杏子さんが在籍していた別のバンドと対バンするための下見をしたいまみちさんが、そのライブハウスの動員数を目の当たりにして、「杏子を加入させたい」と思うようになったことが、現在のBARBEE BOYSとなるきっかけでした。
杏子さんをバンドに引き入れる計画したいまみちさんは、バンドの特徴となる男女の掛け合い型の楽曲を作成し、対バンの時に杏子さんをゲストボーカルとして迎えて歌わせるなどしました。その時の模様を記録として録音、レコード会社のオーディションにデモ・テープとして送ります。しかもバンドメンバーのプロフィールにちゃっかりと杏子さんの名前を入れ、あたかも最初からバンドメンバーの一員にするという策士っぷりを見せます。結果的に順調にオーディションを通過し、外堀を埋められた杏子さんは別のバンドを脱退して、BARBEE BOYSに加入することになります。
最大の特徴は先述したように、男女ツインボーカルによる掛け合い型の楽曲で、いまみちさんがその殆どの曲の作詞・作曲を手掛けています。また、ボーカル2人がともにハスキーな声質をしており、非常に目立つ歌唱をしていました。いまみちさんはギタリストとして演奏技術が高く、BARBEE BOYSの活動として平行して渡辺美里さんや佐野元春さん、井上陽水さん、PSY・Sなどのレコーディングやライブに参加していました。小沼さんはBARBEE BOYS加入前は織田哲郎さんのバンド「織田哲郎 & 9th IMAGE」に参加するなど、実力は高いバンドメンバーが揃っていました。
そんなBARBEE BOYSですが、「女ぎつね on the Run」と共に代表曲として数えられるのがこの「目を閉じておいでよ」でした。
この曲はメンバー出演の資生堂「TREND·Y」のCMソングに起用されました。
この曲はアルバム『√5』のレコーディングが始まる前に曲が既に作られていたそうで、当時のマネージャーが女性スタッフに「そんなもん目を閉じてれば一緒だよ」という、現代社会では確実にセクハラで訴えられそうなことをいまみちさんが聞いてヒントを得て書いた曲だそうです。
「優しいだけのあいつを忘れて」
「激しい瞬間(とき)を 夢見てたい夜」
女性は彼氏が居るにも関わらず、他の男性の誘いに乗ってホテルに来ました。彼氏として満点ですが、夜は満足していないようで、今夜は激しく求められたいと男性に言うのです。
「ためらうだけでウダウダしている」
「あいつとくらべて 俺を見てるなら」
男性と女性の彼氏は知り合いのようで、彼氏の性格もよく熟知しているよう。肝心の「事」が及ぶ時にどうしても躊躇ってしまう彼氏よりも、俺の方がよっぽど男らしいだろ?と女性に言います。
「揺れ動くかけひきと 恥じらいの洒落た夜」
セックスは男性側と女性側でそれぞれがどう動くか、そしてどう求めているのか、そういった駆け引きも大事になります。そして女性は当然、羞恥心があるので、裸になることも抵抗があったりします。
「そんなポーズなんて 今日は無くっていい」
しかし男性は女性が今にもしたくてウズウズしているのを見抜いており、「そんなポーズなんかしなくていいから、今夜はとにかく激しくヤろうじゃないか」と女性に言うのです。本能に身を任せる夜の始まりです。
「目を閉じておいでよ 顔は奴と違うから」
「ほら いつもを凌ぐ 熱い汗と息づかい」
女性に向かって男性は目を閉じておいで。顔を見ずにすれば少しは罪悪感も減るし、彼のことを思い出さなくても済むよと囁きます。そして女性の体には興奮から汗をかき、乱れた息づかいが部屋中に響きます。
「目を閉じておいでよ 癖が奴と違うなら」
「でも 馴れた指より それがどこかわかるから」
目を閉じていて、いつものやり方とは違うから楽しめるでしょ?いつもの馴れた指よりも、俺の指のほうがたくさん感じることが出来るから。そう女性に囁きます。まだまだ熱い夜は終わりません。
KONTAさんはボーカルと共にサックスを担当していますが、レコーディングでは吹いておらずボーカルに専念しています。(ライブでは間奏で吹いています) いまみちさんのギターは2パート重ねており、イントロのフレーズも高いパートと低いパートを両方弾いて重ねたものとなっています。ENRIQUEさんのベースはシンプルなフレーズながらもズンッと低く響いた重みのある音を出しています。基本的にはメンバーのみで演奏を完結させていますが、この曲はキーボード・シンセサイザーの演奏にPSY・Sの松浦雅也さんが参加しています。
実はこの曲、1989年1月1日にリリースされており、数少ない昭和64年にリリースされた曲の一つとなっています。そんな昭和末期の熱いロック。懐かしさとともに是非。