It's alright! 桑田佳祐「100万年の幸せ!!」 | よねともが気ままに思うブログ

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本日は桑田佳祐「100万年の幸せ!!」(2012年リリース、ベスト・アルバム『I LOVE YOU -now & forever-』収録) です。




この曲はフジテレビ系アニメ「ちびまる子ちゃん」11代目エンディングテーマ (2012年4月〜2017年10月まで使用) として書き下ろされました。


「ちびまる子ちゃん」。これは2017年に放送されたアニメ化された若き桑田さんが登場したエピソードから。

あまり知られていませんでしたが、原作者のさくらももこさんは西城秀樹さんや大瀧詠一さん以外にもサザンオールスターズのファンであったことを明かしています。さくらさん自身も「ちびまる子ちゃん」の主題歌で作詞をするようになり、「いずれ桑田さんに歌って欲しい」という願望があったそうです。

桑田さんがソロで活動をしている最中に、さくらさんは手紙を桑田さん宛に送り、テーマソングを書いて欲しいという内容のものと、「Aメロ」「Bメロ」「サビ」とわざわざ書いた上で直筆の歌詞をしたためた手紙があったそうです。普段ソロ・サザン両方とも、作詞・作曲を行う桑田さんにとって、歌詞指定で曲を作るのはほぼほぼ初めてに近いもので、「歌詞指定かよ」と冗談混じりに思ったそうですが、手紙には「大変お忙しいところ勝手なお手紙を差し上げて申し訳ない。もしダメだったら断ってくださいね」と書いていたそうで、断れないと思い次の日には作曲に取り掛かったそうです。また、さくらさんが書いた歌詞には普段曲先行で、歌詞を先に考えない桑田さんのための配慮か、1行の字数が全て揃っていたそうで、桑田さんは「作曲をする立場としては非常にありがたい」と思ったそうです。とはいえ、制作途中にはどうしてもメロディーと合わないなどの理由から「1文字付け足してもいいですか?」といったやりとりをさくらさんと行っていたそうです。

さくらさんが書いた歌詞は、当時の不安はびこる世相、そして東日本大震災からまだそこまで経過していないこともあり、子どもたちの将来や世界中の幸せを願う内容で綴られています。

今を生きてる喜びが 宇宙(そら)を駆ける
風のしらべ 川のせせらぎ

生きてることこそが喜びであることを噛みしめている様子が絵に浮かびます。

胸の鼓動の リズムで踊れ
希望の螺旋を描き 青空に向け

高鳴る胸の鼓動。ドキドキとワクワクが交差しますが、その高鳴りで踊ってみたら楽しくなること間違いありません。

手を伸ばせば 明日があるさ
新しいキミがいるから

なかなか前を向くことに一歩を踏み出せない人も中にはいるかも知れません。でも手を伸ばしてみるだけで、そこには昨日とは違うキミがいるのです。手を伸ばして希望を掴み取ろうとするキミは、新しい希望に満ちたキミになっています。

たった100万年ほどの 幸せを掴もう
輝くこの地球(ほし)に Oh, 愛を刻み込もうよ

「100万年」と聞けば果てしなく長いものですが、「たった」の一言で、大した長さでは無く、みんなが幸せを掴み取れるものなんだよと言ってるように聞こえます。そして地球上全ての人々、動物に愛を刻み込んだら世界中が幸せになるとも言います。

今を生きてる大切な生命(いのち)守ろう
風のしらべ 川のせせらぎ
永遠に願う Ah···

そして地球上に住む全ての生命を守っていくこと、それを永遠に願うのです。

そして最後には不安を吹き飛ばす一言が入ります。

It's alright.
   (大丈夫だよ!)

この曲の使用開始時期は春だったこともあり、ソロやサザンではあまり見られない春を意識したポップソングで作られています。キーボードのポップな雰囲気と、軽快なリズムが癖になる曲です。演奏はエレクトリック・ギターを斎藤誠さんが、キーボードやリズム・プログラミングを曽我淳一さんが演奏しているのみで、桑田さんはハンド・クラップに参加している以外は演奏に参加していません。コーラスは桑田さんと原由子さんの二人でハーモニーを構築しています。

桑田さん自身もこの曲を気に入っていると話すほど、自信の一作。また、さくらももこさんが亡くなり、東京・青山葬儀所で営まれた「さくらももこさん ありがとうの会」には桑田さんも参列し、制作秘話を話し、献歌としてこの曲を参列者の前で披露しました。特別な想いが込められた一曲だと思います。