本日は嵐「復活LOVE」(2016年リリース) です。
(こちらは初回限定盤です)
1999年の衝撃的なデビューから15年以上が経過し、メンバー全員が30代を越えたこともあって、大人の色気も漂うようになってきた嵐。出す曲全てがヒットするような状態となるなど、国民的アイドルグループの一端を担う存在になってきました。出演番組は勿論ですが、各メンバーがドラマの主演を務めたり、ソロでのバラエティ番組MCを務めたり(相葉雅紀さんはテレビ朝日系「相葉マナブ」、二宮和也さんは日本テレビ系「ニノさん」、櫻井翔さんは有吉弘行さんと共にTBS系「櫻井・有吉 THE 夜会」) 幅広く活動するようになりました。
そんな中で提供されたのがこの「復活LOVE」でした。
この曲は竹内まりやさんが作詞、山下達郎さんが作曲・編曲を手掛けたことで話題となりました。この曲が制作されるきっかけは、達郎さん・まりやさん夫妻が、嵐の2013年のコンサートを観賞し、感激した達郎さんが作曲のイメージがあると発言したことで、メンバーが楽曲提供をお願いし、徐々に制作されていったとのこと。また、達郎さんはJr.の頃から嵐を見ており、特に松本潤さんとは知り合いだとのことで、結成15年を過ぎた嵐が、少年から大人へ成長するいい頃合いで、このような曲提供が出来た、と話しています。
語っている通り、ムーディーな大人の香りを漂わせた曲調に、一度別れたのに再度よりを戻すというまりやさんの歌詞が、今までの嵐の曲とは一味違う点となっています。
「横なぐりの雨の中 この部屋を飛び出した 君は」
「嵐」のなか、些細な喧嘩がキッカケで僕の部屋を飛び出した君。僕はかなりビックリして瞬間的な呆然としてしまいます。
「二人の愛を試すみたいに さよならさえも言わないまま」
サヨナラも言わずに出ていったことで、何処か別れを直感したかもしれません。僕は君のことが好きだから、別れなど受け入れることなどできません。まるで「愛の試練」のような展開についていけていません。
「永すぎた春に 別れを告げた」
「あの日からずっと 僕はまるで抜け殻さ」
平穏と思っていた二人に突如の別れ。別れが実感してくるようになると僕は生気を失ったかのように時間だけが無情に流れていくだけの生活を送っています。
「Baby, don't you go! 行かないで! 叫んでも聞こえない」
「君を乗せたタクシーが 水しぶき上げ遠ざかる」
飛び出したいったあの夜。横なぐりの雨の中で君を追いかける僕。「行かないで!」と言ってももう遅く、君はタクシーに乗って去っていってしまうのです。みるみるうちに遠くなり消えていくタクシー。取り残されたびしょ濡れの僕。ドラマや映画のような別れです。
「Never leave me here 哀しみに崩れてゆく 一人きり」
(僕をここに残さないで!)
「見失った恋人を 諦めないのさ まだ」
「どんなことがあっても待ち続けるよ 僕は」
一人で取り残された僕は、余計に君への愛に掻き立てられます。まだ僕は君のことが好きなんだ!だからこそもう一度愛を取り戻すんだ!どんなことがあっても待ち続けるぞ!とそう決意します。
この曲の特徴は、何といってもイントロから流れる達郎さんのフェンダー・テレキャスターによるカッティング。ほぼほぼ全編にわたって達郎さんのエレクトリック・ギターが核となって展開されており、一聴して達郎さんの曲だなとわかる作りになっています。そこにキーボード、ブラス・ストリングスが交わります。シティ・ポップの印象が強く、嵐の曲としては渋い印象こそありますが、あくまで達郎さんは大人の雰囲気を狙って作り上げています。ストリングス・アレンジは作曲家の牧戸太郎さんによるもの。エレクトリック・ギター、キーボード、ドラム・プログラミング、パーカッションは達郎さんによる演奏で、松本さんののソロパートのCメロで流れるガット・ギターはギタリストの佐橋佳幸さんの演奏。満月の夜に照らされているかのような状況が浮かびます。
歌唱は全面的に達郎さんがディレクションに参加。5人が別々にレコーディングされたといいます。全員がこの曲の世界観に上手くマッチされており、個々の歌声もより良いムードを醸し出しているようです。私自身は普段嵐を聴かないので、この曲を最初に聴いたとき、大野さんの歌唱力の高さにはかなり驚かされました。1番終わりの松本さんの「I miss you」とラストの相葉さんの「おかえり」は、実は達郎さんが提案して入れられたセリフとのこと。また、メンバーのパートの選別に関しては、嵐の長年のスタッフが選別しているそうです。また、イントロと2番では、達郎さん自身によるコーラスも入っており、嵐と山下達郎によるコラボレートのような印象を受けます。
派手さこそ無いが、嵐のメンバーの30代の色気を最大限に活かした曲。嵐ファンでなくともこの曲を聴く価値はあります。
↑当然YouTubeには無し。唯一TikTokにMVがありました。生田斗真さんが出演しています。