ストレートな暖かいバラード。玉置浩二「MR.LONELY」 | よねともが気ままに思うブログ

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本日は玉置浩二「MR.LONELY」(1997年リリース) です。




1996年の玉置さんはソロ活動が旺盛的で、音楽面では「田園」がソロ活動で一番のヒット作となり、ミリオンセラーに近い売上を叩き出し、シングル作品において安全地帯のどのシングルよりも売り上げることとなりました。また、演奏も一部のサポートを除いて、玉置さんが演奏を行うスタイルに移行し、作風にも徐々に変化が見られるようになりました。アルバム『CAFE JAPAN』では、キーボードは安藤さと子さん、コンピューター・プログラミングを藤井丈司さんが担当した以外の殆どの作品で、ギターのみならず、ベース、ドラム、パーカッションを演奏するなど、マルチプレイヤーとしての才を発揮します。ソロとしてのライブツアーを敢行し、1996年末のNHK紅白歌合戦にもソロとして初出場を果たし、バックバンドにTOKIOを従えて「田園」を披露しました。その時には歌手別の最高視聴率(59.9%)を記録し、旺盛な音楽活動が実った瞬間でもありました。

また、玉置さんはこの年は俳優活動を本格的に再開し、NHK大河ドラマ「秀吉」に室町幕府15代将軍・足利義昭を演じ、その無能な義昭を印象付ける為に「奇声を発する」「ボーっとしている」「饅頭を食べる際、汚く食す」といったそれまでの玉置さんのイメージとはかけ離れた演技を見せ、主演で豊臣秀吉役を演じた竹中直人さんに絶賛されたほか、視聴者からも高い評価を受けました。その一方、フジテレビ系ドラマ「コーチ」に浅野温子さんと共にダブル主演として、工場の従業員として浅野さんと共に「工場」と「野球チーム」を立て直す迫真の演技を披露し、ドラマのヒットにつながる役どころを見せました。辞退しましたが、「ザテレビジョンドラマアカデミー賞」の助演男優賞にノミネートされるほどでした。

しかしながらライブツアー中に腹痛を訴えたことから、「憩室炎」と診断され、療養を行ったことから玉置さんの生活環境への疑問が湧いてくるようになり、それが音楽活動にも影響してくるようになります。1997年に入ると俳優活動も変わらず注力し、TBS系日曜劇場「メロディ」、映画「恋は舞い降りた。」に出演します。そんな中、音楽活動で「田園」の次作として発表したのがこの「MR.LONELY」でした。

この曲は真田広之さん主演のフジテレビ系ドラマ「こんな恋のはなし」の主題歌として書き下ろされました。また、玉置さん自身もこのドラマに重要な役どころで出演しています。


「こんな恋のはなし」のワンシーン。

「こんな恋のはなし」は真田さん演じる原島グループの会長・原島修一郎が病院にて医者から「癌に罹患しており、余命があと3ヶ月」と告げられるところから始まります。グループ会社の会長でお金持ちの修一郎ですが、待合室で深いショックを受けているところに、玉置さん演じる下平孝之助という男から「30円貨して」と言われ戸惑います。そんな戸惑う修一郎をよそに、孝之助は無理やり自分が通う定食屋に連れていき、宴会に参加させます。泥酔した修一郎は孝之助の住むボロアパートに泊まり、そのまま経営するデパートへと赴きます。そこで飾り付けの仕事をする松嶋菜々子さん演じる藤村香織に出逢い、恋に落ちます。しかし香織は孝之助の妹だったのです。

金だけで生きてきた修一郎が、孝之助と香織との出会いによって、残りの人生を人間らしい感情を取り戻していきながら過ごして行く過程を描いた作品で、視聴率はあまり良くなかったのですが、名作と名高い作品で現在でもファンが多くいるドラマとなっています。

そんなドラマに寄り添うように書かれたのがこの「MR.LONELY」でした。ひたむきで優しいシンプルかつ重厚なバラードとなっています。タイトルは当初「LONELY」のみでしたが、あまりしっくり来なかったそうでしたが、人気バンドの「Mr.Children」の「Mr.」を拝借したことで納得のいく現在のタイトルになったそうです。

こんな僕でも やれることがある
頑張って ダメで悩んで
汗流して できなくなって
バカなやつだって 笑われたって
涙こらえて

一人一人出来ること、出来ないことあると思います。頑張って結果に結び付いた人も居れば、なかなか辿り着かない人も居ます。あれこれ悩んで解決に導いた人も居れば、悩んで未だに頭を悩ます人も居ます。その全てがダメで他人に嘲笑われることもあるかもしれません。それで涙を流すほどの悔しさを経験したこともあるでしょう。でも、そんな自分にだってやれることがあるんだという強い気持ちを持って日々を過ごしているのです。他人がどう言おうと、僕がやろうとしていることを嘲笑う権利はありません。前向きに日々を生きることもとても大切なことなのです。

何もないけど
いつでも野に咲く花のように
君が優しかったから 僕は元気でいるから

僕には何も無いけど、前向きに生きれることはできる。それはそばに支えてくれる仲間がいるからこそ、僕は元気でいられるんだと言うのです。

先述したように、優しくも重厚なバラードとなっています。作詞・作曲・編曲は全て玉置さんによるもので、演奏もアコースティック・ギター、エレクトリック・ギター、ドラム、パーカッションは玉置さんによるもの。キーボードはこの時期のソロ活動において重要な人物で、後に玉置さんと結婚する(そのまた後に離婚しますが) 安藤さと子さんが演奏しています。ベースは玉置さんのプロデューサーを務めていた須藤晃さんによるものです。

玉置さんの魂のこもったストレートで優しいバラード。聴いていて心を揺さぶられるバラードです。