真夏のクリスマスソング。KUWATA BAND「MERRY X'MAS IN SUMMER」 | よねともが気ままに思うブログ

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本日はKUWATA BAND「MERRY X'MAS IN SUMMER」(1986年リリース) です。




1986年からサザンオールスターズの原由子さんの産休に伴う活動休止、そしてサザンとは別の路線を目指して活動を始めたのが、KUWATA BANDで、ボーカルの桑田佳祐さんの意向が前面に出た活動でした。1st.シングル「BAN BAN BAN」は好調な滑り出しとなり、予め「1年のみの活動」と銘打ったバンド活動は一気に人気となりました。シングルこそサザンの路線を若干引き継いでいましたが、後にリリースされるアルバムではゴリゴリの全英語詞ロックを全開にして、サザンとの差別化を図りました。4月にリリースした「BAN BAN BAN」の次にリリースしたのは、2枚同時リリースとなった「スキップ・ビート (SKIPPED BEAT)」と、この「MERRY X'MAS IN SUMMER」でした。

この曲は資生堂「サンズ パクト」CMソングに起用され、さらに2022年にユニクロ「LifeWear」のCMソングにも起用されました。



クリスマスソングといえば、12月のクリスマスの時期に合わせてリリースされることが専らで、山下達郎さんの「クリスマス・イブ」も最初にシングルカットされたのは1983年12月です。サザンであれば後年の「クリスマス・ラブ (涙のあとには白い雪が降る)」は1993年11月、桑田さんソロの「白い恋人達」は2001年10月にリリースされており、クリスマスシーズン前にリリースされています。しかしこの曲は、南半球(オーストラリアなどのオセアニア) のクリスマスが夏場にあることをヒントにして作られた、いわば「真夏のクリスマス」を主題として作られました。夏のクリスマスソングは現在の日本でも殆ど類を見ないケースとなっており、唯一の代表曲といっても過言ではありません。

作詞は桑田さんによるもの。夏のクリスマスで別れを告げる一幕を描いたものとなっています。

恋は真夏のHistory
I've been cryin', X'mas in Summer
   (俺はこの夏のクリスマスに泣いたんだよ)

この恋は真夏の忘れられない想い出の一つで、人々が歓喜する真夏の熱いクリスマスに、冷めるような切ない想い出が蘇るのでした。

砂に書いた言葉
My baby, I called you. Oh,no!!
   (君の名を叫んだのに!そんな!)

海岸に一人寂しく砂に色々と想いを書き綴っていますが、気持ちの整理がなかなか付きません。愛し君の名前を海へ向かって叫ぶのですが、無情にも波の音がかき消し、さらに砂に書いた言葉まで消し去っていきます。さらなる寂しさを感じさせる、無情のワンシーンです。

心変わりはMisery
She's been cryin', Please be my lover
   (君は泣きながら「私の恋人になって」って言ったね)

付き合うキッカケは君からの言葉からでした。それも泣きながら想いを伝えていました。でも心変わりをこの夏に君はしてしまったのです。

夕陽浮かぶ海へ ひとりきりで駆けてた

夕陽が浮かぶ真夏の海。賑わう海岸にひとりきりで来ていた俺は、寂しさを紛らわす為、海へ駆けていきました。

思い出が波にゆれる 今宵はSilent Night
泣き濡れた日々よいずこ みめうるわし君よ

今宵はクリスマス・ナイト。たくさんの想い出が波とともに運ばれてきて思い出してきます。楽しかった日々を想像するとまた涙が出てきます。余計に君を愛おしく思うのです。

Let it be. この夏はもうこれきり
夢見るよな甘い Brown-eyes お別れで濡れてた

このクリスマスでもう俺達は本当に終わりなんだ、と実感します。そして君の瞳は別れの時は涙ぐんでいたな、とふと思い出すのです。本当は君も別れが辛かったんじゃないか、と。

We can be. 心からそう愛されて
振り返れば雲の上で 神様が微笑むこの街

本当は君も心から俺のことを愛してくれていたんだ、と再認識したのです。振り返れば、夏の神様が俺達のことを見守るように微笑んでくれているように見えたのでした。

ポップなイントロ、キャッチーなメロディーの中に、今野多久郎さんによるタムが入るなど、レゲエの要素も入った新しいポップスとなっています。シングル4作中、この曲のみKUWATA BANDメンバー全員で作曲をした曲となっています。河内淳一さんのエレクトリック・ギター、小島良喜さんのオルガンなど生バンドによるものもありますが、打ち込み要素の強い作品でもあり、ドラムは松田弘さんによる自身のサンプラーマシンで、自分で打ち込んだものでした。また、他のKUWATA BANDのシングルは、サザンからの流れで藤井丈司さんがプログラミングとシンセサイザー・マニピュレーションを担当していましたが、この曲ではTM NETWORKの初期の作品のプログラミングを担当した小泉洋さんが参加しており、小泉さんのTMで培った技術が、KUWATA BANDの作品に存分に生かされています。

真夏のクリスマスソング。夏でも冬でも楽しめる「2つの味わいを持った」クリスマスソングです。



こちらはMV。海岸のシーンは桑田さんの地元、神奈川・茅ヶ崎市で撮影したそうです。