新しい一歩を。今井美樹「Goodbye Yesterday」 | よねともが気ままに思うブログ

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本日は今井美樹「Goodbye Yesterday」(2000年リリース) です。




1996年のシングル「PRIDE」は、「PEACH OF MY WISH」以来2作目のミリオンセラーとなるなど、歌手活動における絶頂期となっていました。1993年からは布袋寅泰さんが楽曲提供を行うようになり、それまでの作家陣をガラッと変え、布袋さんが中心となり今井さんの作品を手掛けるようになっていきました。(但し、作詞家の岩里祐穂さんは継続して歌詞を提供していました。) 1996年の「PRIDE」は布袋さんが作詞・作曲・編曲・プロデュースを一手に担うなど、今井さんの音楽活動においてなくてはならない存在となっていきました。以降の1990年代後半の作品も布袋さんが作曲・編曲・プロデュースを行っていました。1999年には香取慎吾さんが主演した日本テレビ系ドラマ「蘇える金狼」に特別出演するなど、女優業も再び行うようになりました。

そして同じ1999年には、音楽活動において無くてはならない存在だった布袋さんと結婚を発表し、公私ともにパートナーとなりました。そして結婚発表後、最初にリリースした曲が、この「Goodbye Yesterday」でした。

この曲は今井さん自身が主演したフジテレビ系ドラマ「ブランド」の主題歌として書き下ろされました。


ドラマ「ブランド」のワンシーン。

TBS系ドラマ「あしたがあるなら」以来のドラマ主演作となったこのドラマは、独身30代女性の仕事と、若い部下に惹かれていく等身大の女性を描いた作品となっています。

今井さん演じる川嶋碧はファッションブランドに務める女性で、亡き母親が大切に着ていたシルクのブラウスが、何年経っても美しさを保ち続けていることから、物の大切さ、そしてブランドの重要さを学んでおり、仕事にやりがいを見出していました。そんななか、25歳の若者が中途採用で碧が務めるファッションブランドに務めることとなりました。彼、神崎宗一朗 (市川染五郎さん、現在の松本幸四郎さん) は茶道家の一人息子であり、碧とは考えが異なる部分があり、2人は当初衝突していましたが、神崎の運命を受け入れる姿を見た碧は次第に惹かれていくのです。

宇津井健さん、江波杏子さんといった、今は亡き名優や、吉田栄作さんの出演など、脇を固める俳優陣も豪華で、結婚後最初のドラマで、9年ぶりの主演作ということで話題を集めました。

「Goodbye Yesterday」は布袋さんが作詞・作曲・編曲・プロデュースをしており、新しい一歩を踏み出す多くの人々に送った曲となっています。そして、それは結婚をして布袋さんと歩んでいく今井さん自身にも重なる歌詞となっています。

Goodbye Yesterday 生まれ変わった私が現在(いま)ここにいる

昨日までの自分にさよなら」と告げるところから始まるこの曲。まさに今、生まれ変わって新しい一歩を踏み出そうとしている私がいました。

ほらね 今までより笑顔が似合うでしょ?

昨日までの私よりも、今の自分の方が前向きで、そして笑顔がより磨きがかかって、新しい生活を謳歌しているような姿が浮かびます。

思いきり笑って泣いて 自分らしさに出逢えた

ここまで笑って泣いて、色々と人生経験を踏んだ自分でしたが、ようやく「自分らしさ」を見つけたのでした。それが「今の私」なのでしょう。

やっと辿りついた 永遠の優しさに続く路(みち)

この「辿りついた」のは、「今の自分らしさを見つけた私」でもあり、そして「永遠に一緒に歩む人」のことなのか。どちらにも取れそうな歌詞です。

涙の数だけ人はきっと 幸せに近づいているはず

この歌詞はとてもいい歌詞。布袋さんは本当にいい歌詞書くんですよ。たくさん泣いてきただけ、その悔しさと悲しさを糧にして人は最高の幸せを手に入れるんだと思います。

さよならから明日が始まる
Goodbye Yesterday and Hello tomorrow

昨日までの自分に別れを告げ、幸せを掴むために、新たな私が一歩を踏み出すのでした。

ピアノ・ストリングスを使ったバラードですが、曲中盤の長い間奏ではギタリストの布袋さんらしく、ギターソロも挿入されています。勿論ギター演奏は布袋さんです。エレクトリック・ギターの音が目立つ場面もありますが、あくまで前向きなバラードなので、ピアノ・タンバリン・ベルなども効果的に使われています。「PRIDE」もそうですが、布袋さんの作風の振り幅はやはりデカい上、完成度の高い作品を作ることが出来るのは、メロディーメーカーとしてもスゴイ方であることを改めて感じます。

新しい一歩を踏み出す自分へのバラード。この曲がじみる年になったなぁとしみじみ思います。