直球のラブソング。織田哲郎「君に会うために」 | よねともが気ままに思うブログ

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織田哲郎「君に会うために」(1992年リリース、アルバム『ENDLESS DREAM』収録) です。




1992年初頭にリリースした近藤房之助さんとのコラボレーションソング「BOMBER GIRL」は、元々織田さんの中にあったロックを全開にして作ったものですが、1990年以降は織田さん自身で歌う曲にもポップスを取り入れるようになり、「光と影の中で」「SMILE for ME」といったシングルでポップスを作り、そして1992年の「いつまでも変わらぬ愛を」に繋がっていきます。「いつまでも変わらぬ愛を」は、アルバム『ENDLESS DREAM』に収録されていますが、同じアルバムに、この「君に会うために」が収録されています。

歌詞はド直球のラブソング。「いつまでも変わらぬ愛を」は歌詞の背景から変化球のようなものですが、こちらは正面切ってラブソングに仕上げています。

何も言えずに 見つめてるだけで
感じあえるから

君と僕は以心伝心。何も語り合わなくても、目と目でお互いの思うことが、話したいことがわかるんだ、と言っています。

ポケットの中つめこんだ ためいきも嘘もみんな
思い出に変わってゆく 雨があがるように

君と紬いだ色々な想い出の中には、ポケットの中に詰め込んで表に出すことが無いようにしたい、悲しいことや不満に思って怒りを感じること、君には秘密にしていてちょっとの「嘘」などもありました。それらも全てひっくるめて思い出に変わっていきます。ふと顔をあげると、悲しい思い出を象徴するような雨が上がって、澄んだ青空が見えます。

君に会うためにきっと 僕は生きてきたんだね
生まれる前からずっと 君をさがしていたね

ちょっとキザっぽいですが、男だったら一度くらい言ってみたい言葉かもしれません。君に出会うことは紛れもなく運命だったのでしょう。普遍的な言葉で綴られているのもまた、時代が移り変わっても愛される曲である理由の一つでしょう。

サウンドは明るめのポップスで、とてもクリアなエレクトリック・ギターと12弦ギターが使われており、バックのシンセサイザー・タンバリンと共にキラキラしたサウンドを展開しています。(「いつまでも変わらぬ愛を」と同じ様なコンピューター・サウンドと思われる) イントロ・アウトロの2拍3連のリズムの小気味良さは、メロディーメーカー・織田哲郎ならではの仕上がり。かと思えば、間奏の歪ませたギターソロはロックを意識しています。入りはまるでエンジンがかかったかのよう。ちなみにリズムトラックは「BOMBER GIRL」「いつまでも変わらぬ愛を」同様、コンピューターによる打ち込みで、サックス・ソロが無いため、この曲は全ての演奏を織田さん自身で行っています。この時期には打ち込みが馴れてきたのか、古さを感じさせない編曲になっています。

アルバム内の一曲ですが、普遍的で直球の歌詞、そしてメロディーの小気味良い響きと、色褪せないアレンジ。織田さんの良さが詰まった名曲で、シングル級の1曲だと思います。皆様にも素敵な恋があるように、そう祈っています。


↑アルバム2曲目、5:32くらいから「君に会うために」がスタートします。