本日は予定を変更しまして、この曲を。本日はHi-STANDARD「mosh under the rainbow」(1999年リリース、アルバム『MAKING THE ROAD』収録) です。
Hi-STANDARDは難波章浩さん(ボーカル・ベース)、横山健さん(ギター・コーラス)、恒岡章さん(ドラム・コーラス) の3人によるスリーピースパンクバンドとなります。早くから健さんが代表取締役となって自前のレコード・レーベル「PIZZA OF DEATH」を立ち上げており、1st.ミニアルバム『LAST OF SUNNY DAY』を大手レコード会社内のプライベートレーベルからリリースしてデビューしています。元々は4人組のバンドで、難波さんもボーカルを担当しておらずベースのみでしたが、ボーカル担当が早くに脱退してから難波さんがベースを弾きながらボーカルを担当する現在の形が出来、それ以降もこのスリーピース形態で活動していくことになります。
1995年にアルバム『GROWING UP』をリリースすると忽ち人気が出て大ヒットし、さらに海外への進出も狙い、一部内容を変えた海外盤もリリースすると、アメリカを中心にヒットすることになります。以降もアルバムを日本国内・海外共にリリースしていきます。また、1997年にはHi-STANDARDによる主催フェス「AIR JAM」を開催し、多くのパンク・ロックファンを魅了しました。アメリカでのライブ開催や、ロック・バンド「Green Day」との対バンライブなど、国内外で多くの人気を博しました。2000年に活動を休止し、難波さんと健さんはそれぞれ別バンドの結成やソロ活動に、恒岡さんは多くのバンドのサポートを務めるなどしていました。
活動休止から11年、東日本大震災を契機に活動を休止してから行われなかった主催フェス「AIR JAM」を開催し、Hi-STANDARDとして出演して活動を再開、往年の曲を披露しファンを喜ばせました。翌年には宮城・川崎町の国営みちのく杜の湖畔公園にて「AIR JAM」を開催。Dragon AshやMONGOL800、マキシマム ザ ホルモンなどのバンドが集うなか、Hi-STANDARDも参加し、大成功を納めました。その後、2016年に16年半ぶりとなるシングル「Another Starting Line」を一切の事前告知無しでリリースすると、オリコンシングルチャートで初の1位獲得となるなど、衰えぬ人気ぶりを証明しました。(ちなみにこの時の2位は、後に恋ダンスで大ブレイクする星野源さんの「恋」でした) 2017年にはアルバム『THE GIFT』をリリースし、こちらも1位を獲得しました。
彼らの特徴は全英語詞というのが一番の特徴でしょう。パンク・ロックとは言え、日本のロックバンドははっぴいえんど以降は日本語で歌うのが一般的でした。しかし、Hi-STANDARDはその法則を破り、英語で歌いました。一歩間違えば理解されがたい英語の歌は、なかなか世間に浸透しづらいのですが、演奏のカッコよさ、メロディアスなメロディー、そしてパンクの縦ノリといった要素が、Hi-STANDARDを受け入れられたのだと思われます。
この「mosh under the rainbow」は、Hi-STANDARDの最大の売り上げとなるアルバム『MAKING THE ROAD』に収録された、ファンの中でも特に人気の1曲です。(但し、海外盤には収録されていません) 作詞は健さんと難波さんによる共作となっています。冒頭とアウトロのしゃがれた声の語りは、外国人によるものです。なお、日本語訳は、ブックカードに書いてあるものをここに記載します。
「tell me why do we see dreams」
(ねぇ、どうしてぼくらは夢を見るの?)
「and why do we want to be free」
(どうしてぼくらは自由になりたいの?)
「I don't know, I don't know, I don't know why」
(なんでなんだろう)
子どもが思うことをシンプルに綴った歌詞になっています。どうして夢を見るのか、どうして自由になりたいのか。いつも通り生きる僕らにはふと何故なのか、当たり前すぎるが故に考えさせる内容になっています。
「tell me why do we die」
(ねぇ、どうしてぼくらは死んじゃうの?)
「and why do we suffer and fight」
(どうしてぼくらは苦しんだり争ったりするの?)
「I don't know, I don't know, I don't know why」
(なんでなんだろう)
人々は何故争わなければならないのか。大人の都合によって何故ぼくらは苦しまなければならないのか。そして何故死んでしまうのか。これも考えさせる内容になっています。
ギターサウンドは非常にメロディアスで、頭に残りやすいものとなっています。ただ歪んだハードなサウンドだけでない、健さんのスゴさが出ています。難波さんのベースも太いしっかりしたサウンドとなっています。恒岡さんのドラミングもスネアの音が大きく、幹の太いしっかりとしたドラミングで、素晴らしいものとなっています。まさに三位一体です。
実は私、元々父がHi-STANDARDのファンであったことから、小さい頃からよく聴いていたバンドでもありました。