今日の待ち合わせは・・・。鈴木雅之・菊池桃子「渋谷で5時」 | よねともが気ままに思うブログ

よねともが気ままに思うブログ

よねともが思うことを綴るブログです。
好きな音楽をただ紹介しています。

本日は鈴木雅之・菊池桃子「渋谷で5時」(1993年リリース、アルバム『Perfume』収録、1994年シングルカット) です。




ラッツ&スター活動休止後の雅之さんは、「ラブソングの王様」の異名を持つほど、ラブソングを多くリリースし、それが多くヒットしました。山下達郎さんプロデュースによる「Guilty」、小田和正さんプロデュースによる「別れの街」「私の願い」「FIRST LOVE」といった尊敬する先輩ミュージシャンのプロデュース曲が評判になっていくと、1992年以降はセルフ・プロデュースに移行します。そして「もう涙はいらない」「恋人」が大ヒットし、ソロでも第一線で活動していくことになります。

そんな雅之さんですが、ラッツ&スター時代から自身が作曲を手掛けることは意外にも多くなく、シャネルズ→ラッツ時代は井上大輔さんが、ソロ曲でも安部恭弘さん、松尾清憲さん、中崎英也さんといったミュージシャンからの曲の提供を受けて歌うことが多いです。現時点での最新アルバム『Funky Flag』でも自身が作曲を手掛けたのは1曲のみで、安部さんを始め、布袋寅泰さん・水野良樹さん(いきものがかり) ・高見沢俊彦さん(THE ALFEE) といったミュージシャンからの提供を受けています。これは他のミュージシャンやプロデューサーが作詞・作曲・編曲した作品を自分なりの色に染め上げることが自分自身の役割だと話すほどの拘りを持ちます。また、作曲時にギターを用いて作曲することがありますが、本格的な楽器演奏は実家の旋盤工場による作業で手を痛めたことなどから諦めたそうで、歌一本に絞るキッカケになったそうです。

アルバム『Perfume』は「恋人」が収録されたアルバムとして知られており、現在のイメージを確立させる重要なアルバムですが、その中の1曲として当初収録されたのがこの「渋谷で5時」です。


渋谷駅前。

若者の文化の発信地として、多くの若者が行き交う東京・渋谷。私も所用や私用で何度か行ってますが、いつ行っても渋谷駅前のスクランブル交差点やハチ公前、西武百貨店やPARCO付近などはたくさん人が居て、歩くだけで疲れることもあります。流行の発端となるのも、原宿と並んで渋谷から発信されることも多いですね。また、渋谷センター街や「109」といった流行の発信地となる歓楽街やファッションビル、そして大規模開発に伴い「渋谷ヒカリエ」や「渋谷ストリーム」といった大型商業施設の登場もあり、若者のみならず幅広い世代が訪れる街へと変貌しています。ここ最近では東急百貨店が1月31日をもって閉店し、跡地に大型複合ビルの建設を予定するなど、現在でも注目を浴びています。

雅之さんはそんな渋谷に着目して「若者が文化の発信地という思いがあり、渋谷をアピールしたい思いで制作した」と話しています。

そして、この曲は菊池桃子さんを指名してデュエットとして歌っています。元々菊池さんのファンであったことや、特徴のある声、そしてサビのフレーズが出たときに菊池さんに歌って欲しいと思ったことから選定したそうです。ただ、菊池さんは当初このオファーを断っており、その理由として「歌唱力が鈴木さんに追い付かず、ファンに残念がられる」といった配慮もあったそうですが、「会ったことが無く、怖そうというイメージがあった」というサングラスをかけた強面のイメージから来るものもあったようです。

作詞は作詞家の朝水彼方さんによるもので、「デートで、渋谷で5時に待ち合わせにする」ドキドキとときめきを描いたものです。

ざわめく交差点の 風の中で
僕より先を急ぐ この想いが

「交差点」は先にも触れた渋谷駅前のスクランブル交差点を指したもので、この辺りで待ち合わせしている人がたくさんいます。(余談ですが、私も友人との待ち合わせをここでしたことがあります) そんな騒がしい街中で待ち合わせをしている僕。早く来ないかな、と想いだけが焦るように急いでいる、ドキドキ感を描いています。

10分前
ちらちら見てる腕時計さ

待ち合わせの時間の10分前。待ち合わせのドキドキは誰にでもありますよね。まだかな、まだかなというあせる気持ちが、ちらちら見てる腕時計に表れています。

ときめきと云う 坂をのぼれば逢える

ロマンティックな歌詞です。もう少しで逢えるというドキドキを、逢えるワクワク感に変えてます。もうときめいている2人は、もう少しで逢えますね。

今日は渋谷で5時 ふたりでサボタージュ

今日は渋谷で5時に待ち合わせ。2人でデート出来るなら、仕事もサボっちゃえ、といった感じが窺えます。それくらい大切なデートであることがわかります。

ちょうど渋谷で5時 そう今から恋が始まる

そしてちょうど5時に2人は出逢います。ここから2人の恋は始まっていきます。

作曲は雅之さんが手掛けています。印象に残るイントロのフレーズは、メロディーメーカーたしての才も持つ雅之さんならではのポップなセンスです。アレンジはベーシストでアレンジャーの有賀啓雄さんによるもので、ポップス+ブラックミュージックのテイストで作られています。明るい曲調で、随所に流れるブラスセクションも、ファンファーレのような趣を出しています。

今日の待ち合わせを「渋谷で5時」にしてる方も多いのでは?そんなときは是非この曲でドキドキとときめきを味わってください。



こちらはミュージックビデオ。2人が渋谷の喫茶店で5時に待ち合わせする様子を描いたものです。雅之さんが「クリーム・ソーダ」を頼むという意外な一面も見れます。