愛と冒険の幕開け。FIRLD OF VIEW「DAN DAN 心魅かれてく」 | よねともが気ままに思うブログ

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本日はFIRLD OF VIEW「DAN DAN 心魅かれてく」(1996年リリース) です。




1995年に前身バンド「view」から「FIRLD OF VIEW」に改名し、再デビューをしました。それまでの明るくラフなスタイルから、黒を基調としたスーツに身を包んだスタイルにイメージチェンジを図ります。すると1枚目のシングル「君がいたから」がドラマ主題歌となり、いきなり大ヒットすることとなります。そして2枚目のシングル「突然」は大塚製薬・ポカリスエットのCMソングに使われ、ミリオンセラーとなり、バンドは人気を博すようになります。しかし、3枚目のシングル「Last Good-bye」リリース後に、キーボード担当の安部潤さんが、アレンジャー活動に専念するために脱退し、浅岡雄也さん(ボーカル)、小田孝さん(ギター)、小橋琢人さん(ドラム) の3人編成となってしまいます。

そんな中でリリースされた4枚目のシングルがこの「DAN DAN 心魅かれてく」でした。この曲はフジテレビ系テレビアニメ「ドラゴンボールGT」のオープニングテーマ、アニメの映画版「ドラゴンボール 最強への道」主題歌として使用されました。


ドラゴンボールGTの一コマ。少年期に戻った孫悟空が主人公となる。

「ドラゴンボール」と言えばご存知、鳥山明氏の漫画で、テレビアニメにおいても世界的な人気を誇る作品です。これまで放映されてきた「ドラゴンボール」「ドラゴンボールZ」は多少のオリジナルストーリーがありつつも、漫画原作に合わせてストーリーが展開されてきました。しかし、鳥山氏が1995年に連載終了したことから、1996年1月に漫画のエピソードを消化して「Z」を終了しました。

しかし、アニメスタッフやフジテレビ、スポンサーはどうしても「ドラゴンボール」を続けたかったことから、鳥山氏並びに連載誌だった「週刊少年ジャンプ」(集英社) の編集部と打ち合わせし、「原作の最終話のその後」を描くオリジナルストーリーとして、この「GT」がスタートしました。鳥山氏は物語の脚本や展開などには関与はしませんでしたが、「GT」というタイトル(「Grand Touring」(グランド・ツーリング、壮大な旅という意味)) を付けたり、キャラクターのデザインや背景などのイメージボードなどを書き上げました。鳥山氏はアニメの物語自体は楽しみにしていたそうですが、連載終了直後で次の漫画を考えていた際に、このアニメのデザイン画を頼まれた為、ちょっと抵抗があり、あまり乗り気ではなかったそうです。

この「GT」の1年10ヶ月の放送期間中、エンディングテーマは代替わりしていましたが、オープニングテーマのこの曲は一切変更されなかったこともあり、現在でも「GT」の主題歌と言えばこの曲が挙がります。

作詞はFIRLD OF VIEWデビューからシングル表題曲の作詞を手掛けてきたZARDの坂井泉水さんによるもの。出会った2人の男女のときめきを歌ったものでもありますが、アニメのストーリーに合わせた歌詞も登場します。

DAN DAN 心魅かれてく

FIRLD OF VIEWはビーイング系ミュージシャンの一角でもあり、タイトルがサビの歌詞に使われるというビーイングの特徴を体現しています。でも坂井さんの歌詞はそれがその後のストーリーに無理なく挿入されており、流石、「作詞の天才」だなと思わせてくれます。

君と出会ったとき 子供のころ大切に想っていた景色(ばしょ)を思い出したんだ

何か懐かしくなるような雰囲気を醸し出していたんでしょうか。出会いから何か運命めいたものを感じます。

僕と踊ってくれないか 光と影の Winding Road 今でもあいつに夢中なの?

踊ってほしいという思いとは裏腹に、女性は別の想い人に想いを寄せており、嫉妬している様子が窺えます。

少しだけ 振り向きたくなるような時もあるけど 愛と勇気と誇りを持って闘うよ

ライバルへの闘志を剥き出しにする様子ですが、「GT」としてだと孫悟空とパンに立ち塞がる強敵との闘いへの覚悟とも受け取れます。

作曲は「君がいたから」「突然」を作曲した織田哲郎さん。Bメロからサビへの盛り上げや、サビのコード進行といった要所要所の作りはさすが天才メロディーメーカーという職人ぶりです。編曲は葉山たけしさんで、生音のギターポップは葉山さんの特徴とも言うべきアレンジですが、瑞々しい音に仕上がっています。演奏はFIRLD OF VIEWのメンバーで演奏されていますが、曲中のタンバリンは葉山さんによるものです。

愛と冒険を歌ったポップス。そして「坂井泉水+織田哲郎」のゴールデンコンビ。この組み合わせでヒットしない訳ありません。