テジタルポップの名バラード。サザンオールスターズ「メロディ(Melody)」 | よねともが気ままに思うブログ

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本日はサザンオールスターズ「メロディ(Melody)」(1985年リリース) です。




現在のサザンオールスターズのイメージには、「夏」を想起させる方も多いと思いますが、「バラードの名曲が多い」と思う方も多いと思います。古くは「いとしのエリー」、1990年代では「真夏の果実」「涙のキッス」、2000年代には「TSUNAMI」といったヒット曲が数多くあり、「バラードのサザン」と言われるまでになっています。アルバム曲まで裾野を広げればその数は膨大な曲数があります。その中でも特異なサウンドをしているのが、この「メロディ(Melody)」です。

当時、サザンオールスターズはデビューから7年経ち、「やれることを全てやった」というくらいの大作アルバムを制作していました。85年6月発売予定のアルバムは制作に時間を掛け、7月に延び、それでも終わらなかったことで、最終的に9月発売になりました。このアルバムが『KAMAKURA』となりますが、アルバム制作には多くの苦労がありました。

この当時のサザンはデジタル・サウンドを大々的に導入、シンセサイザーは勿論のこと、サンプラー(サンプリングというさまざまな音を録音するための機材)を使うなど、サザンとしてはバンド・サウンドよりコンピューターサウンドを極めていくことになります。ここまで1983年の『綺麗』で始まり、1984年の『人気者で行こう』で初めてアレンジャーでマニピュレーターの藤井丈司さんを迎えて、そのコンピューターサウンドへ方向性を舵を切ることになり、「ミス・ブランニュー・デイ」のような名作を生み出すことになります。1985年のオリジナル・アルバム『KAMAKURA』はその集大成で、ドラム・ベースは殆どが打ち込み、シンセサイザー多め、デジタル音やノイズを用いるなど、実験的な音楽性でした。この「メロディ (Melody)」もバラードながら生音は大森隆志さんによるギター、サポートの矢口博康さんによるサックスソロ、松田弘さんのタムドラムのみで、後はコンピューターで構成された、実験的なバラードでした。マニピュレーターを務め、『KAMAKURA』で共同編曲・プロデュースをした藤井さんも、それまでにないサザンサウンドを目指すために、デジタル音を用いるなど、実験的な作風になったことでかなり苦労したそうです。シンセサイザーやコンピューターを駆使したイントロは原由子さんが考案したものでした。

歌詞も日本語と英語を用いていますが、日本語・英語共に文法的におかしい箇所があるとのことで、桑田さん自身はあまり歌詞が気に入っていないそうです。しかし、個人的には印象的な歌詞も多いです。

君が涙を止めない Oh my hot strawberry woman, don't you go 別れ話に cry on
夢の中まで甘く You're my hot blueberry lady, just with you 言葉にならない

当時の桑田さんは歌詞を深く考えず、サウンド偏重だったため、上の冒頭のような、よく分からないような歌詞になることも少なくありませんでしたが、当時のサザンサウンドとしてはインパクトは大きく、節々の単語を取って「失恋ソングなんだな」と解釈することは可能です。

サザンのバラード、いつ聴いても心に沁みます。この曲は私の中でも特に好きなバラードの一つです。



また、この曲は『KAMAKURA』のCMでも使われ、CMでは桑田さんと親交のある明石家さんまさんがこの曲を口ずさんでいたことでも有名です。CMを見た人がさんまさんの持ち歌だと思った、というエピソードもあります。また、桑田さんとは飲みの席でこのCMのオファーがあり、ギャラはウォークマン1台だったとのことです。

↑前はYouTubeにあったのですが、探したらTikTokしかありませんでした。

※自身のInstagramの投稿を一部編集して再掲。