友次です。
さて、まずはこちらの問題をご覧ください。
宅地建物取引業者Aが、宅地建物取引業の廃業の届出後においても、Aは、届出前に締結した宅地分譲の契約に基づく宅地の引渡しを不当に遅延する行為をしてはならない。(1996-45-2)
答えは○となります。
「まあ、そりゃそうでしょうねぇ…」
というのが印象でしょうか?
「こんな問題、常識で解ける!」
と言ってしまったら
この問題から学ぶことはありません。
私が「まあ、そりゃそうでしょうねぇ…」で
講義を終えてしまうと
受講生の学力は上昇できないでしょう。
以前もブログで述べましたが
問題を解くというのは
「その問題を通して知識や思考を身につける」
ことであり
問題文に「そりゃそうでしょう!」と
ツッコミを入れることではありません。
まずは、この知識の確認ですね。
業者は廃業の届出をした場合でも
取引を結了する目的においては
なお宅建業者とみなされる
ということです。
ということは、当然のことながら
宅建業法を守る必要があります。
不当な履行遅延は禁止されています。
さて、もう一つ確認したいことがあります。
宅建業者は、以下の3つについて
不当な履行の遅延を禁止しています。
1 宅地・建物の登記
2 宅地・建物の引渡し
3 対価の支払い
この知識をここで確認しておかないと
次の問題に答えることが
できなくなります。
不当な履行遅延の禁止(宅地建物取引業者法第44条)は、宅地若しくは建物の登記若しくは引渡し又は取引に係る対価の支払を対象とするのみである。(2012-40-ア)
これも答えは○です。
「のみ」とあるので、「他にもあるのでは?」と
考えてしまいたくなりますが
業法で定められているのは
この3つのみなのです。
さて、これでご理解いただけましたか?
さきほどの問題(1996-45-2)を
「そんなの当たり前じゃん!○でしょ!!」
で通過してしまうと
2つ目の問題(2012-40-ア)は
解くことができません。
他の問題が解くことができないのでは
学習効果は高くないですよね…。
問題を解く(=正解を出す)ことが
目的であれば
深く考える必要はないでしょうが
問題演習をする目的って
本当にそれだけでしょうか?
一見当たり前に見える1つの問題から
2つの知識を学ぶことができる人と
皆様は試験会場で戦わなければ
なりません。
ならば、皆様が
そういう人になる必要がある
ということですよね!
独学の皆様は
以上の点に気をつけて学習してください。
スクール利用の皆様は
講師の解説をそういう視点で
利用するようにしてくださいね!
皆様にとって
効率的な演習学習が
できますように!