ワード
つかぬことなのだが、知りたい知識がある。
新規でワード文書を開く時に、右に出てくる「文書を開く」という項目。
あそこに、最近に使用した5件ほどの文書のファイル名が出てくるのだが。
あれを表示させない方法は無いのだろうか。
というのも、こんな理由からだ。
僕は日記というものは、部屋で一人プライベートに書くものではなく、バイト中の暇な時に時給を貰いながら書くものだと思っている。いやむしろバイト先から、日記を書いている分の時給を貰っている気になっている。
“弊社のデスクに座りながら、御日記を書いて頂き有難うございます。つきましては薄謝では御座いますが、時給をお受け取り下さいませ”
と、まあ、そこまで言って欲しくは無いけれども、そういうことだ。
しかしそこで、一つの問題が起こる。
別のアルバイトも僕と同じデスクで同じパソコンを使っているため、僕が残した文書を読むことが出来てしまうのだ。あの何の起伏もない生活から無理やり捻り出した薄気味悪い文章を。これは大変にマズいので、「吉田フォルダ」の中の「08年カタログ送付先一覧」の中の「3」という名前のフォルダにまで奥深く隠してある。少年時代に自作したTVエロシーン編集ビデオに「NBAウィークリー」というラベルを貼ったのと、何ら変らない。NBAに何の興味もなかったのに。
しかし最近になって、そんな工夫が粉々に打ち砕かれるトリックがあることに気付いた。
上記した、ワード文書の履歴問題である。
僕は日記以外にも、思いついたことのメモ代わりにもワードを使っており、しかもタイトルに本文を全て書いてしまう場合も多いので、けっこうな事態になってしまっているのだった。
さっき何気なくワードを開いてみたところの履歴欄は、こんなものだ。
スゲエよ、ほんとにスゲエよ
言い換えてない
~バイナリ!?が口ぐせのロボット(バイナリ=二進法)
汁好き「そんなの汁じゃねえ!」チェリオを求める旅に
スナッフフィルム
これを見て、後輩バイトは「吉田さんちゃんと仕事してるなあ」と思ってくれるだろうか。
ていうか、今までずっと僕の駄文を読まれてた訳ね。死にたいな。
あ、つうか、この文章も後日に読まれる訳か。
日記を読まれて恥ずかしいという日記を読まれて更に恥ずかしく……そしてまた、これを読んだくせに後輩バイトがやけに無反応だったりして更に更に恥ずかしく……それをまた日記に書いてそれをまた読まれて……。
あーあ、パラドックス。