怪談サークル とうもろこしの会 -290ページ目

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ショック!
やずやの「雪待にんにく卵黄」のサイト
CM動画が見れなくなってしまっている!
ユーチューブもニコニコもなんとか動画も探したけど
どこにも動画を置いていない……
傑作CMなのに……
ここに動画が転がってるよという情報か
ビデオに録ってたりDVDに焼いてたりして持ってるよとか
どなたか、そういう人はいらっしゃらないだろうか。
ぜひ見たいのです。
見なくてはならないのです。
世界中の皆が見れるようにしなくてはダメなんです。


10/14


ひょんなことから、8畳ほどの小さな喫茶店の
そのロフトのようなところに靴を脱いで上がっていって
ミカンをお供にチャーイを飲みながら
下の狭いスペースにぎっしりと20人もいるお客さんたちの
瞑想修行の体験談を聞くことになった。

瞑想の仕方や体験した感覚を聞いていると
長距離を走っている時になる感覚と似ているのではないかと思った。
もう走れないというほど苦しくなった時、
自分のことを
「ああ、ゼイゼイして苦しんでいる自分という人が走っているなあ」
と外から認識するような状態すると
だいぶ楽になって走り続けられるようになる
その時の意識の持っていき方や感覚と
もしかしたら少しは共通点があるのかもしれない。

あと、皆が言っていたけど、
瞑想修行の後はコンビニが辛いらしい。
まず照明が明るすぎるし、並んだパックジュースの色とか
雑誌の表面の文字とか、とにかく情報量が多過ぎるんだそうだ。
逆に、下山して3日目に大阪の西成に行ってみたら
あのホームレスがごろごろした猥雑な街が
ものすごくキレイに見えたらしい。
確かに、と僕も思う。
近所ということもあって早朝の歌舞伎町によく行くのだが
あの祭りの後のようにガランとした中で
ものすごい数のカラスが元気に飛び回って
楽しそうにあちこちのゴミを漁ったりケンカしたりして
たまに酔いつぶれたホストが片隅に倒れていて
ホームレスがリヤカーをゆっくりと引いていくのが遠くに見えるような。
ああいう光景は、確かに
あまりにも現世っぽくて、同時に彼岸っぽいかもしれない
みたいに感じることもある。
それと共通した感覚だろうか。

10/13


昼飯を食べるのによく使う公園があるのだ。

建物の陰にひっそりとある割には日当たりもよく
ビルが立ち並ぶ周囲の環境からすると穴場のようなスポットだ。
だいたい、僕はここで弁当やカップ麺を食べて
遊具の壁にもたれなて昼寝をするのを日課にしている。
宅配業者が運動したり休憩している姿を見かけるくらいで人も少ない。
たまに弁当を狙って猫や鳩が近づいてきたら本気で怒って威嚇するが
それ以外にはこれといったトラブルもない
うららかな静けさを約束された空間だったのだ

ところが、ここに闖入者が現われた。
いつものようにクジラを模した遊具の陰に座って
午後の惰眠をむさぼっていたところ
あたりに突然。金属質のような奇声が響いた。
目を開けると、小猿のような男子が3人
身長も150cmに満たないので小学3,4年生だろうか
「すげー穴場だよここ!」
などと叫びながら辺りを走り回っている。
まるで新しい村を発見した「北斗の拳」のザコ悪人が、
ひゃっはあ~と村中をバイクで走り回っているような
そんなイメージが僕の脳内で閃いた。
それが決して大げさな発想でないことを裏付けるように
ガキどもが大声をあげながら僕の方に走り寄ってくる。
そして僕がもたれかけているクジラの遊具まで来ると
まるで僕など目に入らないかのように、ぞろぞろと登り始めた。
僕の頭のすぐ1m上で、3人がぎゃあぎゃあ騒いでいる。
他にもたくさん遊具があるのに、
なぜわざわざこんな不審者が座っているところに来るのか?
まあ、いい。
そもそも子供のために作った遊具なんだから
子供たちがこれで遊ぶのも仕方ないよね。
大人のこっちが引き下がるべきだろう。
そう思って立ち上がろうとした瞬間
ガキの一人が、僕の頭に足を乗せやがった。
正確には、髪の毛のぴょんと立ってる部分が
ガキの靴の裏と摺りあわされたくらいの状態なのだが
それでも屈辱を与えられたことには変わりない。
もちろんとっさに謝罪するだろうと、キっと睨みつけても
ガキ3人は知らぬ顔でバカ話をしている。
今までクラスの女子たちを何人泣かせたかとか
どんなことをして泣かせたかとか
またその泣き声を大げさに再現したりとかの
まったく大人気なく知性のかけらもない
ただ自意識だけが肥大した自慢話を
互いに披露して悦に入っているのである。
「お前らがスクスク成長して大人になって
 そして僕の敵になっていくんだよ!」
そう叫びながら頭の上の足をムンズと掴んで
遠心力を使って体ごと遠くに振り投げてから
室伏ばりに雄叫びを上げても良かったのだが
日焼けの具合や、持っているバッグから
どうもスポーツをやっているっぽいので
殴られたら嫌だな、と思って止めておいた。

このまま立ち去るのも癪なので
クソガキどもの下でぶつぶつ舌打ちしながら座り込んでいると
突然、僕のトートバッグの上にドサリと何かが落ちてきた。
ガキの一人が、クジラ遊具のへりに置いていたスポーツバッグだ。
それが、昼寝のために外していた僕のメガネに直撃したのである。
とっさに確認したが、幸いフレームなどに損傷はなかった。
「失敗だ~」
と叫びながらそれを拾いにくるガキ。
もちろん、僕から手渡したりなどしない。
僕の荷物の上に落ちた瞬間は目に入ったはずなので
さすがにスイマセンの一つもあるだろうと思ったのだが
こっちの顔をチラリとも見ず、自分のバッグを素早く拾い上げると
そのまま何事もなかったかのように、
またクジラの上に登ったのである。
俺が眼中にないということなのか?

結局、先に帰っては大人のメンツがすたると思った僕が
意地でもクジラの下で無言のまま動かないでいると
30分ほどして、ガキどもは公園から去って行った。
「いつもからここに来ればいいじゃん」
みたいなことを口走りながら。

まずい。
僕のお昼の南国が無法者どもによって汚されていってしまう。
必死に抵抗するという手段もあるのかもしれないが
おそらくケンカになったら、僕は、負ける。
あいつらの会話の自信満々な様子から
運動能力が高いことは確かだ。
小学3年生くらいということから判断して
足も遅くてスポーツも苦手なのに、自分に自信がある訳がない。
そして女子を泣かせることに何の罪悪感もなく
むしろ自分のステータスだと感じているという、この攻撃性。
ましてや今回、アイツらは全く僕の存在を無視していたのだ。
あえてではなく、本当に無意識の領域から、眼中に入らなかったのだろう。
やつらの動物的本能が「危険なし」「敵以下」と僕を判断している証拠だ。
そして誰もが認める僕の運動音痴ぶり。
あの3人を相手どって、暴力で勝てる自信は、僕にはない。

僕は一体、どうすればいいのだろうか?
ケンシロウみたいな人が、ふらりと公園にやってくるような
そして悪行の限りをつくしたガキどもを退治してくれるような
そんな奇跡を期待するしかないのだろうか?