10/14 | 怪談サークル とうもろこしの会

10/14


ひょんなことから、8畳ほどの小さな喫茶店の
そのロフトのようなところに靴を脱いで上がっていって
ミカンをお供にチャーイを飲みながら
下の狭いスペースにぎっしりと20人もいるお客さんたちの
瞑想修行の体験談を聞くことになった。

瞑想の仕方や体験した感覚を聞いていると
長距離を走っている時になる感覚と似ているのではないかと思った。
もう走れないというほど苦しくなった時、
自分のことを
「ああ、ゼイゼイして苦しんでいる自分という人が走っているなあ」
と外から認識するような状態すると
だいぶ楽になって走り続けられるようになる
その時の意識の持っていき方や感覚と
もしかしたら少しは共通点があるのかもしれない。

あと、皆が言っていたけど、
瞑想修行の後はコンビニが辛いらしい。
まず照明が明るすぎるし、並んだパックジュースの色とか
雑誌の表面の文字とか、とにかく情報量が多過ぎるんだそうだ。
逆に、下山して3日目に大阪の西成に行ってみたら
あのホームレスがごろごろした猥雑な街が
ものすごくキレイに見えたらしい。
確かに、と僕も思う。
近所ということもあって早朝の歌舞伎町によく行くのだが
あの祭りの後のようにガランとした中で
ものすごい数のカラスが元気に飛び回って
楽しそうにあちこちのゴミを漁ったりケンカしたりして
たまに酔いつぶれたホストが片隅に倒れていて
ホームレスがリヤカーをゆっくりと引いていくのが遠くに見えるような。
ああいう光景は、確かに
あまりにも現世っぽくて、同時に彼岸っぽいかもしれない
みたいに感じることもある。
それと共通した感覚だろうか。