メトロポリタン・オペラ 「連隊の娘」- 見どころ満載の大満足喜劇。 | My Diary @ New York

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2007年5月~2009年6月までNYで過ごした私の気ままな日記ブログ。

あと3日で、今年のメトロポリタン・シーズンも終了。今年の9月末まで、シーズンオフ。です。

今日は、私の今シーズン最後のオペラ鑑賞。。。シメであります。


すっかり満喫してしまった今シーズン。

METオペラがなかったら・・・・はじめて過ごす、NYの長い長い冬を健全に乗り切れなかったやもしれません。欧米の暗い長い秋冬を考えると、芸術・文化が人々に愛され育まれてきた理由が少しだけ分かるような気がしました。


今日は、ドニゼッティの「La Fille du Regiment」(連隊の娘)。

冷たい雨の日でしたが・・・・この演目は、大人気で、すべて満席売り切れ、なのです。


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いつもギリギリに駆け込むところを・・・今日は、やや早めに。行ったのだけど。もんのすごい人人。席に着くまでに、15分もかかってしまった。人気がうかがえますね。。。



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私は、実はこの演目を、ドレスリハーサルで一度鑑賞しています。それなのに、またオカワリ。でし。


なぜなら。

この演目、1幕の後半に、「Ah! Mes Amis!」という歌があります。その中に、ドニゼッティの「テノール泣かせ」といわれる、「Top C's」が9回も出てくる難関があるのですが。


それを、主役テノール、Juan Diego Florez氏が素晴らしく歌いこなし、先日、4月21日の公演初日に、メトロポリタンオペラの歴史でもめったにないこと・・・基本は禁止されてる、幕の途中でのアンコールをやってしまった!という伝説ができてしまったというのです。


翌朝のNew York TimesのArt誌面でも、「禁止が破られた日」として、1面に、彼の大きな写真付きで報じられていました。目下、マニアの中では話題沸騰なのだと思われます・・・。


関心がある方は、YouTubeで見つけましたので、ぜひ鑑賞ください。(噂の「Top C's」は、最後の1分間程度・・・女性でもこんな高い音は出せないんじゃないの・・・?というくらいの高いKeyが続きます。)

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過去に、この作品を歌いこなした人は、ひとりだけ。あの、故パバロッティ氏。彼も、この作品で、アンコールを披露した歴史的な記録を持っています。


1966年の彼の歌声も・・・。ご関心あれば是非に。

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今回も・・・Florez氏の歌声は素晴らしかったです。1幕の後半、この曲が終わった後、拍手と「ブラボー」で、5分間程度時間が止まってしまった。鳥肌立ってしまいましたよ。。。。。(残念ながら、今回はアンコールまでは至らなかったのだけど。)


一部の人が、「現在のテノール歌手の中でBestの歌手だ!」と絶賛するフローレス氏。前にも書いたけど、ペルーのリマの人。すごいですよね。。。ラテンアメリカから世界へ。これから本当に楽しみです。(いつか握手してもらう日に向けて、もっとスペイン語勉強しなきゃ。)


さて、幕間のインターミッションは、いつも30分近い長い休憩時間になります。


今日は、その間に、劇場地下のギャラリーへ。大金持ちのパトロンたちに寄贈された、音楽に関わる絵画・彫刻のコレクションが飾ってあります。(ちなみに、手前は、ワーグナーの肖像画。)



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そして、歴史に残るオペラ歌手たちの写真も一面に。声も音楽を奏でるものだとしたら…名だたる楽器でもある人々。。。同じ人間なのに、どうやって、あんなすばらしい音が身体からでてくるんでしょうね。。。不思議。



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来週から、ここメトロポリタンオペラ劇場で開幕する、アメリカン・バレエ・シアターのダンサーの写真なども飾ってあって、素敵な場所でした。


2幕は、フローレス氏以外の主役級の面々の歌声や演技力が光る、非常に楽しい展開です。喜劇なので、明るく楽しく、さくさくと進んでいきます。


あ、ストーリーは、こんな感じ。

1幕。戦場の前線で拾われ、連隊長の娘として育ったマリー。彼女が、偶然崖に落ちそうなところを助けtくれた男性、トニオと恋に落ちる。トニオは、彼女と結婚したくて連隊に志願。入隊しちゃう。・・のだけど、マリーの生みの親を名乗る金持ちがやってきて、彼女をお城に連れて行くのでした。

2幕。お城で窮屈に過ごすマリー。しかも、お家の事情で政略結婚するはめに。そこに、連隊の面々、トニオがやってきて・・・その熱意にほだされ、最後はマリーとトニオのハッピーエンドで終了。


2幕では、主役女性、Natalie Dessayの演技力、歌唱力が光り、さらに、金持ちの母親役の女性も素晴らしく、本当に満足度高い展開に。母親役の女性、連隊長の男性は、舞台上でピアノ弾きながら歌ってしまうのだから、その多才ぶりにはびっくり。


もちろん、最後は、全員総立ち、拍手喝采、ブラボー連発の、長い長いフィナーレとなりました。出演者にとっても、この公演は今日が最後。すがすがしい顔の皆さんに、思い切り拍手!!!


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あー、楽しい2007-2008年シーズンでした。満足。


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また、次のシーズンも待ち遠しいものです。

ちなみに、「連隊の娘」でのコンビ、Natalie Dessay女史&Juan Diego Florez氏が、次シーズンでもコンビで出演します。次は、「La Sonnambula」というベリーニの作品。これは見逃せないかもかも。


来週、5月19日(月)からは、バレエの公演が始まり、始まりー。ですー。