外資参入をJリーグの力に | 元世界銀行エコノミスト 中丸友一郎 「Warm Heart & Cool Head」ランダム日誌

元世界銀行エコノミスト 中丸友一郎 「Warm Heart & Cool Head」ランダム日誌

「経済崩落7つのリスク」、
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「国家の盛衰を決めるのは、政治経済体制が収奪的か包括的かの差にある」(アセモグルら)

レッドブルはNTT東日本から大宮アルディージャを買収する

掲題の今朝の日経社説。

かなり説得的。

 

また、一人のサッカーファンとしても、

外資のJリーグ参入を大いに歓迎し、

一層のJリーグ大発展を期待したい。

 

ご参考まで。

 

 

 

オーストリアの飲料大手、レッドブルがサッカーJ3の大宮アルディージャを買収する。Jリーグ発足から30年余りで海外企業がオーナーとなるのは初めてだ。外資の力を受け入れる「開かれたJリーグ」を軌道に乗せ、日本のスポーツを盛り上げたい。

 

大宮は日本電電公社(現NTT)が結成した電電埼玉サッカーチームが前身で、1998年にプロ化された。J1での実績もあるが近年は成績が低迷している。

 

レッドブルは米国やドイツ、ブラジルでサッカークラブを運営してきた。潤沢な資金を持ち、選手や指導者の育成に関するノウハウも豊富だという。チーム

の強化や集客ノウハウの移植を通じて、日本のプロスポーツ経営の底上げに貢献してほしい。

 

Jリーグが持つ価値はすでに海外から評価されてきた。2017年には英動画配信のDAZNが放映権を取得した。当初は10年契約だったが現在は33年まで延長している。年平均で200億円を超える巨額契約は各クラブに分配され、経営を支えている。

 

ただ、課題も見えてきた。いまだJリーグから世界に名をはせるクラブは生まれていない。Jリーグも事態を直視し、資金配分方式を見直した。ビッグクラブを育てる狙いだ。

 

本場の欧州ではすでに英国やイタリア、フランスなど主要リーグの強豪クラブが海外の資本を導入してチームの強化を図り、リーグ全体のレベルの底上げにもつなげた例がある。大宮はJ3からの再出発だが、将来は世界で戦えるチームに育てる気概が欲しい。

 

試合中継が有料のネット配信主体となったのは懸念材料だ。DAZNとの最新の契約は地上波での放映が増える内容というが、子どもたちがテレビでサッカーに触れる機会はかつてほど多くはない。

 

レッドブルは大宮の買収にあたり「地域社会への貢献」を掲げている。地元の子どもたちが気軽にサッカーを楽しめる環境づくりにも力を入れてもらいたい。