加速する円高、重要水準突破し世界的キャリートレード巻き戻しを主導 | 元世界銀行エコノミスト 中丸友一郎 「Warm Heart & Cool Head」ランダム日誌

元世界銀行エコノミスト 中丸友一郎 「Warm Heart & Cool Head」ランダム日誌

「経済崩落7つのリスク」、
「マネー資本主義を制御せよ!」、
「緩和バブルがヤバい」、
「日本復活のシナリオ」等の著者による世界経済と国際金融市場のReviewとOutlook

「国家の盛衰を決めるのは、政治経済体制が収奪的か包括的かの差にある」(アシモグルら)

掲題の今日午後のブルーンバーグ記事。
ご参考まで。
 
Masaki Kondo

  • 円は対ドルで100日移動平均線と155円を上回る

  • 日銀の利上げは円安の息の根を止める可能性-りそなHD

  円相場は24日、対米ドルで重要な水準を突破した。世界的なキャリートレードの巻き戻しを主導する形となり、メキシコペソからオーストラリアドル、ニュージーランドドルまで幅広い通貨を押し下げた。

 

  円は対ドルで3月中旬以来初めて100日移動平均線を突破。心理的な節目の155円も上回り、テクニカル指標は円高のモメンタムが続く可能性を示唆している。円は豪ドルやNZドル、メキシコペソに対しても約1%上昇した。

 

  11日と12日に日本の通貨当局による為替介入を疑わせるような動きがあったことや、米トランプ前大統領や日本の有力政治家が為替について発言したことが、円高に拍車をかけた。

ドル・円が重要なサポートラインを割り込む

 

 

 

  日本の超低金利により円は近年、低金利の通貨を借りて高金利通貨に投資するキャリートレーダーが好む資金調達通貨となってきた。こうした取引は、投資家が日本銀行による追加利上げと通貨当局によるさらなる為替介入の可能性に賭ける中で解消されつつある。

  河野太郎デジタル相に続き、自民党の茂木敏充幹事長は今週、円安を抑制するために金利を引き上げるよう求めた。

 

  りそなホールディングス市場企画部の井口慶一シニアストラテジストは、河野デジタル相や茂木幹事長の日銀に関する発言が警戒を強める材料になっていると指摘。追加利上げがあった場合、今月実施された可能性がある円買い介入と連携する形になり、「円安の息の根を止められる可能性がある」と述べた。

 

  トランプ前大統領はブルームバーグ・ビジネスウィーク誌のインタビューで、円安・元安のために米国は「大きな通貨問題」を抱えていると語った。これにより、トランプ氏が11月の大統領選で勝利した場合、ドル安に動く可能性があるとの見方が強まっている。

 

  オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)は、31日の日銀金融政策決定会合で15ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利上げが行われる可能性を33%織り込んだ。

 

  24日の債券市場で10年国債利回りは前日比1bp上昇の1.070%。40年国債利回りは同入札の低調な結果を受けて同4.5bp高い2.465%となっている。

 

  ブルームバーグ調査によると、31日の利上げを予想する日銀ウォッチャーは3割程度に過ぎないが、9割以上がリスクシナリオとして最も早い利上げのタイミングは7月会合と回答した。