英14年ぶり政権交代 欧州の結束立て直す時だ | 元世界銀行エコノミスト 中丸友一郎 「Warm Heart & Cool Head」ランダム日誌

元世界銀行エコノミスト 中丸友一郎 「Warm Heart & Cool Head」ランダム日誌

「経済崩落7つのリスク」、
「マネー資本主義を制御せよ!」、
「緩和バブルがヤバい」、
「日本復活のシナリオ」等の著者による世界経済と国際金融市場のReviewとOutlook

「国家の盛衰を決めるのは、政治経済体制が収奪的か包括的かの差にある」(アセモグルら)

掲題の今朝の毎日社説。

かなり説得的。

ご参考まで。

 

 英国の新政権には、欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)後の混乱と経済の低迷に終止符を打つことが求められる。

 

 英下院総選挙でスターマー党首率いる野党・労働党が地滑り的な勝利を収め、14年ぶりの政権交代を果たした。

 保守党はEU離脱を掲げた2019年の前回選挙で圧勝した。離脱で経済も暮らしも良くなると約束し、国民の支持を取り付けた。

 

 EUへの拠出金を、財政難の公的医療サービスに回せるとも主張していた。しかし、長年の緊縮財政による医療スタッフや病床の逼迫(ひっぱく)は解消されず、手術を必要とする患者が長期間待たされるなど深刻な状況は続く。

 

 労働党の勝因は、コービン前党首時代の急進左派路線を修正したことだ。法人増税を撤回して経済重視の姿勢を打ち出すなど中道色を強めた結果、保守党支持層にも食い込んだ。

 

 英国を揺るがす移民問題への対応も迫られる。今回の選挙では、移民の受け入れ制限を掲げた右派ポピュリスト政党「リフォームUK」が一定の支持を得た。

 

 米大統領選で自国第一主義のトランプ政権が誕生すれば、ウクライナ支援などに影響が出る。米欧をつなぐ英国には、内政の混乱を抑え、国際社会の安定に貢献する役割が期待される。