掲題の今朝の毎日社説。
かなり説得的。
ご参考まで。
先行きの不透明な時代に巨大首都のかじ取りを誰に委ねるのか。重要な選択の機会である。
東京都知事選が告示され、過去最多の56人が立候補を届け出た。
3選を目指す現職の小池百合子氏、元参院議員の蓮舫氏のほか、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏、元航空幕僚長の田母神俊雄氏らが出馬した。
小池都政の継続の是非を問う選挙だ。2期8年の間には、新型コロナウイルス対策や東京オリンピック・パラリンピック開催などの対応に追われた。
最大の争点は少子高齢化だ。
東京の合計特殊出生率は0・99と全国最低の水準だ。背景にあるのは、非正規雇用の増加や、男性が育児休暇を取りにくい風潮など、全国的な問題に限らない。過密化による住環境の悪化や、生活費の上昇など特有の事情もある。
高齢化対策も喫緊の課題だ。都の推計では、2030年の高齢者は334万人に達し、4万人規模の介護職員が不足すると予想されている。地方からの介護人材の流出を招きかねず、職員の定着など一層の対策が必要だ。
東京一極集中で若者が流入する一方、地方の人口減少に拍車がかかっている。首都のトップとして、地方にも目配りした政策運営が求められる。
首都直下地震への備えも急がねばならない。甚大な被害を想定した救急医療体制の整備や、延焼火災が懸念されている木造住宅密集地域の解消は道半ばだ。
明治神宮外苑の再開発計画を巡っては、大量の樹木の伐採が問題視されている。環境保全と都市開発をどう進めるかについて、各候補者の姿勢が問われる。
首都の課題は、日本全体が抱える問題に直結する。各候補者は、東京の具体的な将来像を示し、骨太の論戦を繰り広げてほしい