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6月の消費者マインド指数は65.6に低下、市場予想は72
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5-10年先のインフレ期待は3.1%に上昇、前月は3.0%
6月初旬における米消費者のセンチメントは、予想外に7カ月ぶりの水準に沈んだ。物価の高止まりが家計に対する見方を圧迫する構図が続いている。
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現在の家計状況に対する評価を示す指標は12ポイント低下の79。昨年10月以来の低い水準で、所得に対する懸念も反映している。6月の現況指数も2022年末以来の水準に落ち込んだ。
上段:消費者マインド指数、下段:現在の家計状況に対する評価を示す指標
出所:ミシガン大学
センチメント低下の背景には、ここ1年にわたり個人消費をけん引してきた労働市場に減速の兆しが出ていることがある。5月の失業率は4%に上昇し、およそ2年ぶりの高水準となった。
ミシガン大の消費者調査ディレクター、ジョアン・シュー氏は発表文で「好調な労働市場により、低所得層は賃金が顕著に上昇した。一方でインフレは鈍化しているものの、物価の高止まりで家計は依然として厳しい状況にある」と指摘。
「中間層の見方は低所得層と似通っており、歴史的なパターンからかい離している。これまでの中間層の見方は、高所得層と低所得層それぞれの見方の間に位置していた」と述べた。
今回のデータは向こう数カ月の消費需要が抑制されることを示唆している。耐久財の購入環境に関する指数は、2022年12月以来の水準に低下した。
ブルームバーグ・エコノミクスのイライザ・ウィンガー氏は「最近の経済に関するデータや伝聞では、価格上昇に対する消費者の反発が共通して見受けられる。これは5月に財・サービスの幅広い分野でディスインフレ傾向を強める要因となった」と述べた。
期待指数も今年の最低水準を記録した。