掲題の今朝の毎日社説。
かなり説得的。
なかんずく、不正には、それ相応の罰則が不可欠。
まさに「罪と罰」は当然であり、
不正を繰り返えさせないためにも、
けじめが大前提となる。
すみませんと誤って済む話ではない。
ましてや、将来の競争力向上の話に、責任転嫁を図るかのように、
焦点をそらすかのような逃げの姿勢は誠にいただけない。
大幅円安と消費税の輸出還付金で潤う
自動車業界の雄としてのトヨタではあるが、
我が国の政治・経済体制はいよいよ世襲化・特権化が
極まって来たと見ざるを得まい。
日本経済の大黒柱である自動車産業への信頼を揺るがす深刻な事態だ。
車の安全性や環境性能を担保する国の認証試験を巡る不正行為が、業界トップのトヨタ自動車など大手5社に拡大した。各社は原因究明と再発防止を徹底しなければならない。
不正が確認されたのは、トヨタ、ホンダ、マツダ、スズキ、ヤマハ発動機の計38車種にのぼる。国土交通省は生産中の6車種の出荷停止を命じ、トヨタ本社などを立ち入り検査した。
2022年以降、トヨタ傘下の日野自動車、ダイハツ、豊田自動織機で不正が相次いだ。グループ総帥であるトヨタの豊田章男会長は、各社の経営改革を指導する立場を強調していた。
今回は自社の不正である。にもかかわらず、豊田氏は記者会見で「ブルータスおまえもかという感じだ」と人ごとのように語った。危機感が乏しいと言わざるを得ない。国交省が求めるまで不正を把握できなかった自浄能力の欠如を猛省すべきだ。
豊田氏は「今回のことをきっかけに、何が日本の自動車業界の競争力向上につながるか、制度の議論になるとよい」と述べた。問題があるなら見直す必要はある。だが、不正の謝罪会見で持ち出すのは違和感がある。
23年の販売台数が約1030万台と世界首位のメーカーだ。24年3月期の連結営業利益は日本企業として初めて5兆円を超えた。
業績が絶好調の中、独善的になったきらいはないか。新車開発を急ぐあまり、現場にしわ寄せが及ぶことはなかったか。検証する必要がある。
第三者機関を設けて原因を探り、経営責任も明確にすべきだ。法令軽視の体質を改めなければ、顧客の信頼は取り戻せない。