掲題の今朝の毎日社説。
かなり説得的。
ご参考まで。
国会で憲法改正の議論が進んでいる。だが、今なぜ改正が必要なのか。国民の理解が深まっているとは言えない。
![緊急事態に関する各党の主張/憲法改正国民投票の流れ](https://cdn.mainichi.jp/vol1/2024/06/04/20240604ddm005070147000p/9.jpg?1)
衆院の憲法審査会で、自民党が改憲条文案の起草委員会を今国会中に設置するよう求めている。大規模災害などで選挙実施が困難になった場合に備え、国会議員の任期延長を可能にする改正を目指している。
![岸田首相在任中の憲法改正に対する賛否](https://cdn.mainichi.jp/vol1/2024/06/04/20240604ddm005070148000p/9.jpg?1)
緊急時に参院が国会の機能を担う規定は憲法にある。54条で定められた「参院の緊急集会」だ。
ただ、緊急集会は衆院の解散・総選挙により衆院議員が不在となる最大70日間を想定している。このため自民党は、長期間にわたって選挙が実施できず、国会が機能しなくなる事態を防ぐ必要があると訴えている。
衆院の憲法審では自民党、公明党、日本維新の会、国民民主党、有志の会の5会派が任期延長の改正に賛成している。立憲民主党は選挙権の制限につながると批判し、共産党は改憲自体に反対する。一方、参院では自公両党内にも慎重論がある。
だが、緊急事態条項の創設には、政府に過大な権限を与えかねないとして公明党などにも懸念がある。衆院で5会派が一致できたのが議員任期の延長である。
岸田文雄首相は、9月までの党総裁任期中に憲法改正を実現したいと繰り返し表明している。
条文案の起草に前のめりな自民党の姿勢には、保守層への配慮がうかがえる。改憲への賛否で温度差のある野党を分断するという政治的な思惑も透けて見える。