掲題の今朝の毎日社説。
かなり説得的。
ご参考まで。
原発を使い続けてきた以上、「核のごみ」と呼ばれる高レベル放射性廃棄物の問題から目を背けることはできない。
最終処分場の選定を巡り、佐賀県玄海町が手続きの第1段階である「文献調査」の受け入れを表明した。北海道の寿都町と神恵内村に続く3例目だが、原発の立地自治体としては初めてだ。
町には稼働中の九州電力玄海原発がある。1975年の1号機稼働以来、原子力と向き合ってきた。
町議会は、「新たな産業振興策となる」「(核のごみの)発生原因を有する自治体の責務だ」との理由で受け入れを求める飲食業組合など地元3団体の請願を採択した。それまで慎重だった脇山伸太郎町長は議会の動きを受け、「適地が見つかる呼び水になれば」と受け入れに転じた。
候補地が増えない中、政府にとって「渡りに船」だった。昨年、長崎県対馬市では受け入れの動きが出たものの、市長が風評被害などを理由に見送った。政府は脇山町長への働きかけを強めていた。
ただ、処分場としての適否を示す政府の「科学的特性マップ」では、町のほぼ全域が「好ましくない特性がある」と評価された。文献調査で適地となる保証はない。
掘削して岩盤などを調べる第2段階の「概要調査」に進むには知事の同意が必要となる。県は「これまで国のエネルギー政策に十分貢献しており、新たな負担を受け入れる考えはない」と否定的だ。
選定は2000年施行の最終処分法に基づき始まった。政府は文献調査の受け入れ自治体を公募し、最大20億円を交付する。海外事例を参考に10カ所程度の候補地を集めたい考えだが、他自治体が追随するかは見通せない。
核のごみ問題をどうすればいいのか。立地自治体だけでなく、電気を利用するすべての国民が問題意識を持つべきだ。