政治資金の制度見直し 徹底した透明化の議論を | 元世界銀行エコノミスト 中丸友一郎 「Warm Heart & Cool Head」ランダム日誌

元世界銀行エコノミスト 中丸友一郎 「Warm Heart & Cool Head」ランダム日誌

「経済崩落7つのリスク」、
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「日本復活のシナリオ」等の著者による世界経済と国際金融市場のReviewとOutlook

「国家の盛衰を決めるのは、政治経済体制が収奪的か包括的かの差にある」(アセモグルら)

掲題の今朝の毎日社説。

かなり説得的。

ご参考まで。

 

 

 自民党派閥の裏金問題を受け、政治資金規正法の改正を話し合う特別委員会が衆参両院に設置された。カネの流れを徹底的に透明化する必要がある。

 

 会計責任者らが罪に問われた場合、政治家も処罰対象となる制度を早急に導入しなければならない。岸田文雄首相も国会答弁で前向きな考えを示している。

 

 だが、それだけでは不十分だ。規正法には多くの「抜け穴」が指摘されている。

 

 まず、発端となった政治資金パーティーである。1990年代の政治改革では、癒着を防ぐために企業・団体による献金を制限したが、パーティー券購入が事実上の献金として残された。

 

 「20万円超」の購入者名は、政治資金収支報告書への記載が義務づけられている。公明党は「5万円超」への引き下げを求める。日本維新の会は企業・団体による購入の禁止、立憲民主党はパーティー自体の全面禁止を掲げる。

 

 政党から政治家個人に支出される政策活動費も焦点となる。自民は幹事長ら党幹部に年間10億円以上を支出している。

 

 受け取った政治家は収支報告書に記載する義務がなく、安倍派議員が派閥からの還流分を不記載とした口実に使われた。自民を除く各党が廃止、見直しを主張する。

 

 政治資金を巡っては、自民の茂木敏充幹事長の政治団体が公開基準の緩い団体に資金を移していたことも明るみに出た。不透明な金の流れを絶たなければならない。

 

 各党が改革案をまとめる中、自民の具体案作りが遅れている。このため、法案の審議入りは大型連休明けとなる見通しだ。

 

 首相は今国会中の規正法改正を明言し、「国民、党員の皆さんに判断いただく」と語る。だが、小手先の改正にとどまるようでは、国民の信頼を取り戻す

ことはできない。裏金作りの実態もいまだ解明されていない。

 

 抜本的見直しをするつもりがあるのか。「火の玉となって党の先頭に立ち、取り組む」と言った首相の本気度が問われている。