大企業製造業景況感は4四半期ぶり悪化、プラス11-日銀短観 | 元世界銀行エコノミスト 中丸友一郎 「Warm Heart & Cool Head」ランダム日誌

元世界銀行エコノミスト 中丸友一郎 「Warm Heart & Cool Head」ランダム日誌

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掲題の今朝のブルーンバーグ記事。
ご参考まで。
 
短観(概要)2024年3月 (boj.or.jp)
 
伊藤純夫

 

  日本銀行が1日発表した3月の企業短期経済観測調査(短観)によると、大企業製造業の景況感は4四半期ぶりに悪化した。一部自動車メーカーの生産停止や元日に発生した能登半島地震といった一時的要因が企業心理に影響したとみられる。

 

  大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)はプラス11と、前回の昨年12月調査のプラス13(新ベース)から悪化した。市場予想のプラス10を上回った。

 

  一方、大企業非製造業の業況判断DIはプラス34となり、8期連続で改善した。前回はプラス32(同)。市場予想のプラス32を上回った。

 

  日銀は先月の金融政策決定会合で、マイナス金利解除など大規模緩和の見直しを決めた。33年ぶりの高い賃上げ率となっている今年の春闘などを受けて、賃金と物価の好循環が確認され、2%の物価安定目標の実現が見通せる状況に至ったとした。市場の関心が今後の利上げペースに移っている。今回の短観の結果によって日銀は慎重な判断を迫られる可能性がある。

 

  景気の現状について、日銀は「一部に弱めの動きも見られるが、緩やかに回復している」との判断を示している。個人消費は物価上昇もあり力強さを欠く状況が続いているが、高水準の企業収益が維持される中、好調な賃上げなどを背景に「今後持ち直していくという予想ができる」と植田和男総裁は先月の記者会見で指摘した。

 

  3月短観では調査対象企業の定例見直しが行われ、新ベースで公表された。公表に際しては、記載された昨年12月調査とデータに段差が生じないよう、同調査も新ベースの調査対象企業で再集計されている。

 

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