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大手ハイテク銘柄が上昇けん引、メタとアマゾンの業績見通しで
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米国債利回り急上昇、3月利下げ確率さらに低下-ドル買い優勢
2日の米株式相場は続伸。大手ハイテク株が上げをけん引した。同日発表された米雇用統計が力強い内容となったことを受け、企業利益に対する明るい見通しが広がった。
株式 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
S&P500種株価指数 | 4958.61 | 52.42 | 1.07% |
ダウ工業株30種平均 | 38654.42 | 134.58 | 0.35% |
ナスダック総合指数 | 15628.95 | 267.31 | 1.74% |
米指標を受けて金融当局が早期に利下げを実施することはないとの見方は強まったが、この日の株式市場では経済に対する楽観がそれを上回った。
主要3指数はいずれも最高値を更新。S&P500種株価指数は5000にさらに近づき、大手ハイテク銘柄の比重が高いナスダック100指数は1.7%高で引けた。メタ・プラットフォームズとアマゾン・ドット・コムが前日の通常取引終了後に示した強気の業績見通しが好感された。
マイケル・ハートネット氏率いるバンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストは、 投資家がテクノロジー株を買い急ぐ様子は1999年のバブルの様相を呈しており、金融政策が引き締められている中でも経済は好調に推移するとの見方を反映していると指摘した。
1月の米雇用統計では雇用者数が1年ぶりの大幅増となり、賃金の伸びも加速。労働市場が予想外に再び勢いを増していることが示唆され、早期に米利下げが行われる可能性が一段と低下した。
米雇用者数と賃金、予想外に伸び加速-FRB利下げ一段と遠のく
CIBCプライベート・ウェルスUSのデービッド・ドナベディアン最高投資責任者(CIO)は「この日の雇用統計は『ソフトランディング(軟着陸)』シナリオに疑問を投げ掛けた」と指摘。「かなり劇的な内容であり、『ノーランディング(着陸せずに成長を続ける)』の可能性を示唆する。経済は絶好調だ」と述べた。
米雇用統計「ショッキング」、3月利下げに別れ-市場関係者の見方
1月の米ミシガン大学消費者マインド指数(確定値)は、前月比で2005年以来の大幅改善となった。インフレの緩和が景気と家計の先行き感を押し上げた。
個別銘柄ではアップルが一時4%安。前日に発表した2023年10-12月決算で、中国での売上高が13%急減したことが分かった。米石油大手のシェブロンは利益が予想を上回り、上昇。地方銀行の株価指数は3日ぶりに反発した。
米国債
米国債相場は朝方発表の雇用統計を受けて大幅安。利回りが急上昇した。午後に入っても、全ての年限で前日より11-17ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)ほど高い水準で推移。特に中短期債の利回り上昇が目立った。
国債 | 直近値 | 前営業日比(BP) | 変化率 |
---|---|---|---|
米30年債利回り | 4.22% | 10.3 | 2.51% |
米10年債利回り | 4.02% | 14.2 | 3.65% |
米2年債利回り | 4.37% | 16.8 | 3.99% |
米東部時間 | 16時50分 |
3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合日程に連動するスワップ契約では、0.25ポイントの利下げ確率が約15%と、雇用統計発表前の半分程度に低下した。5月についても、もはや完全には織り込んでいない。
グレンミードの投資戦略・調査責任者、ジェイソン・プライド氏は「3月利下げの可能性は、ますます低くなったようにみえる。もっとあり得るのは、夏ごろに引き下げを開始し、年内2、3回実施することだ」と述べた。
外為
ニューヨーク外為市場では、ドル指数が反発。米雇用統計後に米国債利回りが急上昇したことでドルが買われた。週間ベースでは5週連続の上昇となった。
為替 | 直近値 | 前営業日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
ブルームバーグ・ドル指数 | 1239.89 | 7.74 | 0.63% |
ドル/円 | ¥148.36 | ¥1.93 | 1.32% |
ユーロ/ドル | $1.0790 | -$0.0082 | -0.75% |
米東部時間 | 16時50分 |
ブルームバーグ・ドル・スポット指数は一時、前日比0.8%高となり、1月23日以来の高値。ショートカバーが入る中、ドルは他の主要10通貨全てに対して値上がりした。
米CBSニュースは、同社の番組「60ミニッツ」で1日に行ったパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長とのインタビューを4日に放送する。
マネックス・ヨーロッパの外国為替分析責任者、サイモン・ハービー氏は、パウエル議長の放送での発言によって「第1四半期の金融緩和期待が完全に打ち砕かれた場合、ドルは今後数週間で一段高となるはずだ。他の主要国・地域から景気に関する弱いデータが発表されれば、特にそういった展開になる」と述べた。
円は対ドルで一時1.5%安の1ドル=148円58銭まで下落した。
原油
ニューヨーク原油相場は3日続落。イスラエルとイスラム組織ハマスの停戦を巡る協議を背景に、原油の地政学的なリスクプレミアムが低下した。相場はテクニカル分析上の重要な水準を割り込んだ後、下げ足を速めた。
イスラエルとハマスの戦闘停止と人質解放に向けた早期の交渉を受け、中東のエネルギーの流れを脅かしてきた4カ月に及ぶ対立が解決に向かうとの見方が強まっている。停戦交渉に関するニュースに加え、相場が200日と50日の移動平均線を下回ったことでトレンドフォローのアルゴリズムが反応し、原油は下げを拡大した。
一方、世界市場への供給は引き続き潤沢なことが複数の指標で示されている。2日はWTIのプロンプトスプレッドがコンタンゴ(順ざや)に転換。期近物が期先物より価格が低いコンタンゴは弱気のシグナルとされる。
ニューヨーク商品取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物3月限は1.54ドル(2.1%)安の1バレル=72.28ドルで終了。週間では7.35%安と、昨年10月初旬以来の大きな下げとなった。北海ブレント4月限はこの日1.7%下落の77.33ドル。
金
金相場は反落。1月の米雇用者数の伸びが予想外に加速し、早期利下げの可能性は低いとのパウエルFRB議長の認識が裏付けられた。
好調な雇用統計により、労働市場の底堅さを示す証拠が増えた格好だ。堅調な労働市場は、今後数カ月にわたって健全な経済成長を下支えする可能性が高い。つまりそれは、早急な利下げは必要はないかもしれないということを意味する。
スワップ市場では3月利下げの確率を21%と織り込んでおり、同月の政策転換の可能性は実質的に排除された。このほか、5月の利下げに対する織り込みも大きく後退した。
金スポット価格はニューヨーク時間午後2時13分現在、前日比18.19ドル(0.9%)安の1オンス=2036.80ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は17.40ドル(0.8%)安の2053.70ドルで引けた。
原題:Stock Bull Run Powers Ahead as US Economy Roars: Markets Wrap(抜粋)
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