だけど…唯一俺にチョコレートをくれないやつ。俺の隣の席に座っているやつで幼なじみ。
実『…何。』
あいつは宇野実彩子。俺と同じくらい頭がいい。
光『チョコレート。』
実『チョコレートを何?ちゃんと文章で言って。』
光『はぁ?分かってるくせに』
どうしてか分からないがこいつだけには優しくできない。
実『さぁね。あっ、もしかしてチョコレートをくれるの?ありがとう!光啓くん❤︎』
とわざと語尾に❤︎をつける女に腹が立つ。
光『きめー。』
実『はい?この教室の王子様がそんなことを言ってもいいの?』
それなら、お前も同じだろうが。あいつも俺と同じくもてて、お姫様とかエンジェルというあだ名がある。と言い返したかったけど我慢する。
だって、俺の目当てはこいつのチョコレートだから。
実『で、チョコレートをくれるの?欲しいの?どっち?』
光『…ください。』
実『何を?』
光『チョコレートをください!』
仕方なく言うと
実『はい、どうぞ。』
と俺の手にチョコレートが…
実『と言うと思った?笑 』
光『は?』
実『じゃ、私からの条件。私が作ったチョコレートは私たちの周りのどこかにあります。私が戻ってくるまでに探してね!頑張ってー』
と言ってどっかに行った。
よし、探しますか。
俺はあいつがいないうちにあいつの鞄をあさる。
いつものことだから鞄の中をみるのは慣れている。
真『うわ、日高が実彩子の鞄を漁ってるわ』
隆『うわ、変態だ。宇野ちゃんに言わなきゃ。』
いつもなら茶化す2人にうるせぇよって言うけど、今日の場合は違う。
俺は無我夢中で探した。
すると、机の中に手を入れると…ガサガサという音がした。
まさか!と思ってみると…
机の中の上の方にガッチリとセロハンでチョコレートが貼られていました。
それを剥がしていると…
実『4分10秒。結構かかったわね。』
光『うるせ!じゃ、ありがたくもらっとくわ。』
実『勝手にすれば?』
可愛くねぇな。
来年は少しは素直になってくれたらいいなと思ったり思わなかったり…
まぁ、俺はそんな宇野が好きなんだけどまだ言わない。
ホワイトデーに決めるつもりだからさ。
なんで自信があるかって?そりゃ、幼なじみだし、宇野はきっと俺のことが好きだから。
そんなことを考えながら宇野の手作りチョコレートを食べた。
光『うまっ!』
というと少し宇野の顔がほころんだ…ような気がした。
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幼なじみ第二弾!あと2つ?お付き合いください(^^)もしかしたら、わちゃわちゃもはいるかも…