2024.2.3
・本阿弥光悦の大宇宙
東京国立博物館 2024.1.16~3.10
・中尊寺金色堂
東京国立博物館 2024.1.23~4.14
・印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵
東京都美術館 2024.1.27~4.7
に行きました。
ナマニクさんコーナー
最新レビュー!!
B級映画の帝王ロイド・カウフマンに緊急インタビュー!カオスすぎる日本発ホラー映画『悪魔がはらわたでいけにえで私』にカメオ出演2024.02.28 #氏家譲寿(ナマニク)
ナマニクさん寄稿の雑誌!
【本阿弥光悦の大宇宙】
本阿弥光悦(1558~1637)は琳派の始まりに俵屋宗達と共に登場する人物。この展覧会は本阿弥光悦のすべてがわかる構成で、本阿弥光悦の持つ世界観が垣間見えます。
家業(家職)
本阿弥家は刀剣の鑑定などを家業としており裕福な商工業者、「町衆」と言われていました。血縁関係も含むネットワークは、新しい文化を生み出す源。尾形光琳は遠い親戚に当たります。本阿弥家の名物帳、名物集は刀剣の形状や刃紋の姿を写し取った図と共に解説され、展覧会では名物帳にある本物の刀剣も多数展示されています。
「折り紙つき」という言葉がありますが、その語源は本阿弥家が鑑定した刀に付けた保証書にあるそうです。折り紙つきの本物を見ることが出来、感動でした。
本阿弥光悦は、日蓮宗を深く信仰していました。扁額の揮毫などはほぼ日蓮宗のお寺です。
謡本と蒔絵
本阿弥光悦の作品と本阿弥光悦風の作品が混ざって展示されています。メインビジュアルの「舟橋蒔絵硯箱」は本阿弥光悦作とのことで、他はインスパイア系です。謡本は能の曲を小冊子にしたもので、雲母刷りで美しく飾られた料紙に文字が木版印刷されています。光悦謡本とは、慶長期に出版された観世流の謡本で、嵯峨の豪商・角倉素庵が製作に関与したとされている「嵯峨本」の一種です。意味が全然分かりませんがそうらしいです。私、学がないもので昔の字は全く読めません。なので雲母刷りのキラキラだけをたのしみました。
光悦の書と茶碗
光悦は80歳と当時としては長生きですが晩年は中風(脳卒中、脳血栓のこと)を患い震える手をどうにかしながら、字を書いていました。
中風は、食べ過ぎ飲みすぎ高血圧に多いそうです。私も高血圧で中々下がらないのでいつ血管が破裂するかとヒヤヒヤしています。
光悦の書状の中で1番有名な「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」は多分病気になる前に制作したと思われます。この展覧会では、全体が見えるよう長い展示ケースで展示してあり見応えがありました。俵屋宗達とされる下絵は金銀で舞い降りて、舞い上がっていきます。その中を行書と草書を混ぜて書かれた美しい文字がリズミカルに配置され、書も絵のようです。丁度今頃、丹頂鶴などは求愛ダンスを踊っている頃ですがその姿を抽象的に表現したようにも見えました。2人の偉大な芸術家の競演、素晴らしいです。
光悦茶碗ー土の刀剣
手づくねでヘラを使って成形する楽焼きによる、光悦の茶碗は1615年に徳川家康から拝領した高峯の土地で作陶に励んだそうです。
私はおおらかな見た目の(口がパカッと空いたような)井戸茶碗などが好みで、楽茶碗はキュッとしていて正反対の印象をうけます。
本阿弥光悦の展覧会、賑わっていると思いきや割と空いてました。ちょっと地味だったかも知れませんね。