エゴン・シーレ展 | けろみんのブログ

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日記・観た映画のこと・観た展覧会の感想



    

金銀と正方形は、装飾性と平面性をひきたている。


    

時には痛々しくやせ細った裸体で、時に断片的な姿で

あるいは自己の分身を伴う二重の肖像として自らを表現した。


    

身体性とセクシュアリティ、自分という存在の相互関係をめぐるおわりなき思索にほかならない


    

「偉大な世界観を獲得するためにはナイーヴで純粋な目で世界を観察し、経験する必要がある」







2023.2.5 エゴン・シーレ展に行きました。上野の東京都美術館で4月9日まで開催です。桜の季節なのでもう一度行きたい気分です。

ロッカーが空いてなくて焦りました。コートを着て見ると暑いので。しかし係員さんが「入場口の左にまだ空いているロッカーがある」と他の人に教えているのを聞いたので行ってみたら沢山空いてました。穴場です。ラッキーです。大学、専門学校生は2月9日まで無料で入れるので若い人が多い印象でした。



吹き荒れる風の中の秋の木


日時予約制で1時間ごとの指定になり、予約時間前だと待たされますし、一度に人が入るので混みますから予約した時間を2~30分過ぎたあたりで入ると空いて見られると思います。


ドナウ湖畔の街シュタインII


レオポルド美術館所蔵のシーレ作品約50点と、同時代のウィーンの画家(クリムト等)の作品が展示されます。レオポルド美術館は220点のシーレ作品を収蔵しているとのことですから、およそ¼貸し出したことになります。中でも「ほおずきの実のある自画像」は、中々貸し出すことのない数多い自画像の中でも有名な作品です。



小さな街III


自画像と書いていなくても「自分を見つめる人Ⅱ(死と男)」や「悲しみの女」のように明らかにシーレ本人がモデルな作品も数多いです。


丘の前の家と壁


シーレの画業はとても早くに始まり、17歳頃クリムトに見出されてから28歳まで約10年。長さ的にはゴッホとほぼ同じです。早逝した画家によくあるようにシーレも目まぐるしく画風を変え、新しい挑戦を行います。クリムトにシーレは僕に絵の才能ありますか?と聞いたところ「才能がある?それどころかありすぎる」と言われるほどの天才。金のクリムト、銀のシーレと称されたそうです。こうした早熟な天才の若すぎる死についてはいくらでも語れるのですが作品は深くて私には難解でした。






今回の展覧会では肖像画・風景画・静物画 と幅広いジャンルでエゴン・シーレの作品を楽しむことが出来ました。何を描いてもエゴン・シーレ味になる所が天才の証明ですね。


荷造り部屋


私はデッサンの、人物像が好きです。「赤い靴下止めをして横たわる女」がとても印象に残りました。靴下履いているとエロさが増しますね。エゴン・シーレはエロと芸術の際をせめてきます。太い鉛筆でぐいぐいと引かれた体の輪郭線は人間の量感を正確に捉えています。すごい技だと思います。


モルダウ湖畔のクルマウ



静物画も印象的でした。漆の盆に載ったような「菊」抽象画的な「装飾的な背景の前に置かれた様式化された花」という作品がウィーン分離派の章にありました。

「装飾的な〜」はオレンジと紫の組み合わせがとても好きです。子供の頃読んだ漫画に紫とオレンジをつかって風景画を描く女の子が出てきて憧れたんです。


エゴン・シーレの風景画の章は写真撮影可能でした。記念に撮れて嬉しいです。


一部分🎶

それにしてもシーレの作品にはどれも「死」がまとわりつき、早逝を予感させると思ってしまうのはバイアスでしょうか。