正倉院の世界 皇室が守り伝えた美 | けろみんのブログ

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上野駅(JR、日比谷線、銀座線)
御即位記念特別展「正倉院の世界」皇室が守り伝えた美

頭がカッパのラクダが螺鈿で表されています。


東京国立博物館 平成館

2019.10.14~11.24
ただし 
10月14日〜11月4日は前期展示。
11月6日〜11月24日は後期展示。

奈良時代の聖武天皇所蔵品を正倉院に保管したことから始まる正倉院の所蔵品は、古くから国宝を超える、宝物中の宝として大切に保管されております。

厳重な管理を1000年以上続けた結果、驚きの保存状態の良さで当時の宮廷文化が伝わります。

以前聞いた話では、中世以前の日本の室内装飾品はほとんど伝わっていないとのこと。ヨーロッパの壁画や石造りの家、などと違い日本は木で出来たものがほとんどだったからです。
神社仏閣には、古くから多くの美術品が残されていますが宗教的なものであり、人々の生活に結びついた美術品ではありません。
唯一の例外が正倉院の宝物です。

ですがさすがに庶民の普段使いの器や、家に飾られたポスターがあるわけでなく、もうドロドロの権力争いを勝ち抜いた奈良時代の勝ち組天皇家の宝物です。当時珍しいものばかり。
現代人にはちょっとだけ、エキゾチックで先日見に行った中近東文化センターとよく似たものがありました。

紅牙・紺牙撥樓←(金偏の間違い)碁子、鳥羽帖成文書屏風、花氈(唐子が花模様の中描かれているフェルト)どれも優美でグローバルでユニバーサルデザインな世界です(なんのこっちゃ)

花氈は、よく曼荼羅で仏の台座にある「くゆ」の実物だ!と感激しました。



墨画仏像の大胆な筆遣い。8世紀から時を超えて、マティスの作品に見えました。なぜか。


ところで宝相華模様をご存じですか。
仏教建築、道具などを荘厳するのによく使います。この世にない理想の花とも言えます。



中国,唐代の唐草文様のうち,あたかも花を思わせるような豊麗な形のものを一般に宝相華文様と呼んでいる。 〈ほっそうげもん〉ともいう。しかしどのような形式の唐草を宝相華と名付けるかについては,はっきりと規定されてはいない。またその起源も定説はないが,実際に宝相華という花があってそれを文様化したというよりは,唐代の意匠家がパルメット唐草をその時代にふさわしく花のイメージをもって変えたものとみられる。そのイメージの中にはボタン (牡丹) やシャクヤク (芍薬),フヨウ (芙蓉) などがあったと思われる。

「螺鈿紫檀五絃琵琶」琵琶の背面に華やかに装飾されるのはこの宝相華模様。こんなに美しい模様を見た事がありません。

天上界の花、宝相華が美しく配置された美しさは究極のエレガンス。

写真撮影できる箇所が最後に設けられ、正倉院の螺鈿紫檀 琵琶と螺鈿紫檀阮威も撮影できます。

裏側なので上手く撮れないけどこの模様が宝相華模様!


これは明治32年(1899年)に作られた模造品は、さすが明治の卓越した技術。本物と遜色ない美しさです。

今回はもうひとつ今年模造された琵琶があり、その琵琶での演奏が流れてるんですけどミラレソシミー!ジャーンとまるでギターの調弦してるように聞こえたのであまり効果ないかなと思います。
笙は空から注ぐ日差しを音にしたと聞きましたが、琵琶は何をイメージさせるのでしょうか。

もうひとつ写真撮影可能な螺鈿紫檀阮威、こちらも見事です。





カルティエ展を見てるかのよう。

これはカルティエ展の展示物。


鍵はこんな感じ!という展示。

他にも見所が沢山ありますのでまた追加します。

この日(2019.10.14)はあちこち行きました。
まずは国立新美術館で「話しているのは誰?」
ファストフードやら放射線やら沖縄基地やら戦争反対とかいいたいことをでかい装置で伝えてました。気が合いません。


この棚の裏側を展示する、棚が主役なら棚は棚なの?という展示はよかった。

それから太田記念美術館で「歌川国芳 父の画業と娘たち」国芳の大作を畳の展示コーナーでじっくり見られました。

もう一度国立新美術館で「カルティエ 時の結晶」
この展覧会は最高です。川島織物セルコンの作った羅の布が光る螺旋を描いて上からさす日差しのようになっている様は何度見ても素晴らしい。洞窟の天井からさす光のイメージだそうです。

1000年、2000年前の木材を掘り出したり石を切り出して作った展示室は何も語らなくても「時の結晶」を感じさせます。暗い会場に光るダイヤモンドの輝きにうっとり。


そして取って返して太田記念美術館で講演会を聞きました。それはまたいずれ。

その後上野に行って、正倉院展を見て、銀座に行って藤城清治展を見て帰りました。夏に腰の調子が悪くサイン会をお休みした、と聞いて心配でしたが、昨日のサイン会では、とてもお元気でらしたとのことでホッとしました。

そして新作に油絵が!あったり8月に描いたスケッチも沢山ありますますパワーアップしてらして来年が楽しみです。


昔描いた油彩画を思い出し再挑戦とのこと。艶やかな赤毛が素晴らしい。






ラビーちゃんは僕の恋人
小人は僕の分身


今年の作品。
最後は絵本「マボロシの鳥」から。


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