北斎ー富士への道、北斎アニマルズ | けろみんのブログ

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太田記念美術館の「北斎ー富士への道」は平成31年4月4日から令和元年5月26日まで開催されています。前期は4月29日まで、後期は5月3日からで全て作品が入れ替えになります。


北斎と応為。ホントにこんな格好で描いていたのだろうか……

すみだ北斎美術館の北斎アニマルズ展は終わりました。(次回は北斎のなりわい大図鑑展で4月23日からです。)

北斎アニマルズ展

文政年間(1818〜31)に沈南蘋などの絵画を研究して描いた独特の動物の目の書き方ー横に細長い、目じりが細いなどの特徴的な書き方ーに注目。


ものの形を⚫、■、など3つの図形に例えて書いたりコンパスと定規で幾何学的に描くなど北斎特有の絵の方法論に基づいた動物の描き方。


想像上の動物、北斎が何か間違えてしまった不思議な動物の章はカッパがかわいいです。最後のお豆腐を差し出す図が特にひたむきで良いです。(その後武士に頭を叩かれ、お皿が割れて死んでしまう)

など、多岐にわたる紹介で面白かったです。北斎は80のとき娘の応為に「猫1匹すらまともに書けない」と泣いたそうです。(それに対し応為はクールな返事)確かにあんまり、猫可愛くない。


常設展2室のうちひとつは撮影可能で、貴重な肉筆画まで写真におさめることができました。
殆ど赤一色で描かれた「鍾馗図」はなんと、北斎87歳の時の作品。

繊細なグラデーション。良くものの見える人だったんだなぁ。




芥子の花。風に揺れています。風が描きたかったのでしょう。


有名な「神奈川沖波裏」の約30年前に描かれた、神奈川沖本牧の図。この30年間ずっと波を描くことを研究し続けていたからこその名作なのですね。

「神奈川沖波裏」の版木



そして翌日、太田記念美術館にて開催の「北斎ー富士への道」を見ました。「富嶽三十六景」という名作を送り出すまでの「富嶽百景」 など、それまでの北斎の富士への取り組みを特集し、地下の展示室と併せ3部屋で展示されています。
まず面白かったのは1番初めに
「相州梅沢左」が展示されていたこと。
「北斎アニマルズ」展でも同じく初めに展示されていました。
そしてすみだ北斎美術館では左の鶴が主役、太田記念美術館では富士山が主役の展覧会です。
2日続けて葛飾北斎の展覧会に行ったおかげでおもしろい発見が出来ました。

そして家で太田記念美術館で2017年に開催されたほぼ同じ内容の展覧会の図録を読んでいて思ったのは

「浮世絵は手に取って見る方が楽しい」



という思いでした。
本物は空刷り極め出し正面すり?など
色だけでない、ツヤとか凸凹での表現があり、それは本物を手に取らないと実感できませんが

図録を家で眺めるとちょうど良い角度で見られるのです。
ひょっとしたら北斎は手に取った時の目線の角度を考えて構図を決めていたのか?
とおもうくらい。

それにしてもこの図録は図がページいっぱいに使われ、とても見やすいです。
描かれた人々の考えまで伝わりそう。

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パスポート楽しみですね!