ルーブル美術館展 肖像芸術ー人は人をどう表現してきたか | けろみんのブログ

けろみんのブログ

日記・観た映画のこと・観た展覧会の感想

2018年5月30日から9月3日まで国立新美術館にて開催されます。
ルーブル美術館展は2015年の風俗画以来です。
現代風な3世紀の美人さん!

昔々ルーブル美術館に行った時、ニケとモナリザだけみて「よし、気が済んだ!」と出てきてしまった私は今まで美術館の肖像画コーナーは大抵すっ飛ばしてました。
だって知らないおじさんの顔がズラッと並んでるんですもん…例えば知らない人の卒業アルバムを見せられ「これ、西村君」と言われてもリアクションに困るんです。

人の無限にして様々な美しさーそれを先人たちはどう表現してきたのか、じっくりみて行きます。

エジプトの棺には初期の頃はミイラにマスクが付けられました。時代が下るにつれ棺の蓋にマスクを描くようになりました。その姿は理想化された形で描かれてます。更に1〜3世紀には板に本人に似せた肖像画を描くようになったのです。

くらい展示室に浮かび上がるようにライティングされたマスクの中、「女性の肖像」(エジプト、テーベ?出土)は鮮やかに強い個性を放っていました。ドキッとするくらい現代的な美人。(上掲)きっとオシャレで勝気な女性だったんじゃないか、そんな風におもってしまうほど身近に感じたことに驚きでした。暗く設定された会場の中、ひときわみずみずしかったです。

同時期の東方のモザイク画はとても硬い表現で、その方が中世以前の絵画のイメージだったので尚更新鮮でした。

古代ヨーロッパでは自身の肖像を神に奉納する習慣がありました。「奉納物を抱える王の祈祷像」(イラン)は小さなお像ですが祈る手、伏せた目元に深い信仰心が感じられてとても良いです。

古代の葬礼肖像では夫婦や親子が握手をしていてこれは神に奉納するとき「私たちはこのようにお互いを愛しております」という気持ちの表れでしょうか?

ペストが流行した14〜16世紀に流行したスタイルで作られたブルボン公爵夫人の彫刻は痩せ衰え、蛆虫が湧き腸が飛び出た凄惨な姿で驚きました!このような姿の彫刻の並ぶ墓地、行きたくないです。夜行ったら凄い肝試しになりそうです。デモンズ95あたりの映画に使ったら夜は美しい女性に変わって惑わされそう。

肖像画は初めは死んだ時の埋葬用に使われましたが、中世以降権力のアピール、イメージ戦略として積極活用されました。

中でもナポレオンは自信をローマ皇帝風のスタイルで皇帝らしさを演出し、あちこちにおいて権力を誇示したそうです。
今回の展覧会では髪のフサフサした27歳のナポレオンを描いた傑作(の習作で腰から上部分)から、ルイ18世は30個も持っていたというデスマスクも展示されておりナポレオンという人物の人生を顔の変遷で見ることができて興味深いです。(ナポレオンってホントにローマ風なお顔立ちなんだなぁー)と関心しきり。他にもアレクサンダー大王の彫像はクラシック期の巨匠リュシッポスにより製作されたブロンズ像の原作に基づき製作されたもので、リュシッポスはアレクサンダー大王の厚い信頼を得ていたそうですので実物に相当似ているはずです。古の大王のお顔を拝見できるとは…ジャンジャック・ルソーも本人の彫像があります。まるでマダムタッソーみたい。

32歳で馬車の事故で夭折したオルレアン公フィリップ王太子を描いたドミニク・アングルの美しい肖像画はかっちりしたコントラストの美しい衣装に澄んだ瞳、柔らかな口元が優しい人柄を良く表していて仕上げも美しい作品でした。この肖像、亡くなる数ヶ月前に完成したそうで、間に合ってよかったですね。

ルイ14世の彫刻はローマ風に飾り付け威厳と愛らしさの混ざった五歳の作品から豪奢な衣装に身を包んだ青年に早変わり。
レンブラントの妻をヴィーナスに次男キューピッドになぞられた図は家族の愛情タップリです。

ゴヤの油絵を初めて見ました!
大きな絵なのに小さく描かれた子供が、そのバランスもあってかとてもか弱く見えました。

最後はアルチンボルド。ルーブル所蔵版で
お花が美しいです。
ナマニクさん応援↓
今回の連載も面白いですよ!




アルチンボルド



メッサーシュミット


ボッティチェリ工房


ル・ブタン


目がうっすら青いところが素敵




ポロネーゼ

パルミジャーノとかカルパッチョとか、イタリアの画家は食べ物の名前多いですね


最近ウチに来たピクルス君♪仲間が3人になりました
なかよくしようね!