子育てする人にベーシックインカムってどうですか? | Hello from NJ

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独身で子どものいない友人に、「仕事はしたほうがいいよ」と言われたことがあります。

 

本心では、「しているよ、仕事。」と思ったけれど、理解されないだろうとその言葉を飲み込みました。彼女の言いたいことのポイントは、そんなところではないことも、十分に分かっていたし。

 

あなたより、睡眠時間が短い自信がある。

あなたより、労働時間が長い自信もある。

あなたより、担当業務が多い自信もある。

ただ、収入がないだけ。

 

私自身も、母親になるまで分からなかったことでした。

 

例えば食事。1食にみんな同じものを作れば良い家庭って、実は少ないのではないでしょうか。我が家の場合、夫と子どもたちで好みやアレルギーが違うから、ひどい時には1食で3つ違ったメインの食事を作ることがあります。お弁当ももちろん3つ違った内容になります。そのための買い物、調理、洗い物も含めて、なかなかの重労働。でも、毎日、一日に何度も、「お腹すいた」と言われる時間が待ったなしでやって来ます。

 

例えば掃除。アメリカ郊外の家ですから、都心のマンションに比べて部屋数も多く、掃除機かけるだけで90分、全部に取り組めば、優に3〜4時間はかかります。2週に一度、庭師に来てもらっているけれど、秋は落ち葉はき、冬は雪かき、夏は芝生の管理もございます。

 

予定の管理も家族全員分。子どもたちの学校や健康診断はもちろん、習い事が、息子7つに娘3つあって、それぞれに先生とのやり取りや送り迎えがあります。

 

これらはもちろん、ほんの一部のことです。先の彼女は、有給休暇などがあるだろうけれど、母には休暇どころか、給与もありません。母の日には、「いつもありがとう。これからもよろしく。」と言われます。

 

母になって、

A「愛情をたっぷり注ぎ、栄養あるものを食べさせ、家を美しく保ち、優秀で性格の良い子どもを育てなさい。」

と、

B「専業主婦をしているだけではダメ。仕事をして、自己実現や収入を得なさい。」

の二つを両方、完璧にこなすようにとの無言のプレッシャーを感じるようになりました。

 

そういう構造を作る人たちって、どちらかだけでも大変だと分かっているでしょうにね。自分だってできないことを人に求めるのはなんでだろうか。

 

多くの人たちは、本当はBを思い切りやりたいと思うんです。でも、子ども時代は、人間の一生の自尊心や自己肯定感に関わることだと分かっているから、サポートが得られなければAを優先するんです。私の場合は、夫が出張で不在が多い中、両方をやれば、キャパシティオーバーで、AかBか自分の健康のいずれかが犠牲になると思います。子どもたちの為にも、気持ちと体に余裕を持っていたいですし。でも、いつも胸のどこかに、自分の収入がないことへの、もやっとした心配やあきらめ、悲しみがあります。

 

子育てをする人に(特にシングルマザーまたはシングルファーザーの方に)、ベーシックインカムってどうでしょうか。例えば、子どもたちが10歳になるまで、とか。

 

親が近くにいないと傷つくタイプのお子さんをお持ちの方は、働く時間を減らす分、ベーシックインカムを収入にできたらいいでしょうし、専門職などで社会で活躍できる方には、子どもたちを安心して預けたり、家事を代行するようなサポートにそのお金を利用できると思うのですが。


一人一人、考え方や、事情は違うと思いますが、一人のキャパシティを遥かに超えると思われる仕事をこなすお母さんお父さんの体と、子どもたちの心が犠牲にならない社会にするには、どうしたらよいのか…と考えます。

 

変なことを言っているって、叱られてしまうかな。



(サグラダファミリアで、神様に問うてみたい気持ちさ。)