ずっと、面白い大人になりたいと思って生きてきました。
一番の憧れはタモリさん。
恩人の告別式で、あんなに素敵な弔辞を読んで、最後に白紙でしたって舌を出して笑えるような、そんな大人に。
私も40代に突入し、でも心はいつまでも思春期みたいに危うくて、自信もなければ洗練されてもいない、まだまだ泥団子みたいな人間だけれども。若い人たちにとって私は大人なのだから、大人もいいものだっていう、せめて自分なりに貫ける流儀を持とうと思うのです。
ある時、高校の同級生にそんな話をしたら、「高田純次もかっこいいぞ」と教えてもらいました。
(本当にさ、昔からの友だちって、なんて素敵なんだろう。私が今よりもっと未熟で、トゲトゲ凸凹の頃から、今でもずっと友だちでいてくれるなんてさ。本当にありがとうね。)
高田純次さんは、三つの話をしないように気をつけているのだと。それが、
○昔話(あの頃は良かったとか、昔は〇〇だったのにとか)
○自慢話
○同じ話
だそうで。なんってかっこいいのだろうとしびれました。
私はそれに加えて、いかんせん泥だんごだから、失敗するのは目に見えているけれども。せめてもの心がけとしては、こちらの後二つを加えて、
○余計な話
○悪口
私は五つの話をしない。
世の中、これらの話で人を笑わせたり、元気づけるような人もいますよね。お笑い芸人さんのエピソードトークなんか、お腹痛くなるほど面白いですし。
でも私は話が下手だから。
話が下手な人が、昔話や、自慢話や、同じ話や、余計な話や、悪口なんて言ったら、悲惨で目も当てられないでしょう。。。聞く方にとっても辛いですよ。辛い。想像しただけですごく辛くなってしまった。
私は私の範囲でしか面白い大人にはなれないけれど。どんなに自信を無くしそうな夜にでも、そこだけは「いいぞ、好きだぞ」と思えるように。自分なりの美学に背かず生きていきたいものです。
(マティスの絵のように、よくわからないけど、なんかかわいい、なんかほっこりする。そういう人間味を持てたなら、本望だな。)