見ず知らずのおじいちゃんと会話しました | 小さな花のひとりごと

小さな花のひとりごと

乳がん再発の心の動きを綴っています。
現在、肺、縦隔、骨に転移していますが、治療のおかげで元気に過ごすことができています。
やれることをやれるうちに。

病院の待ち時間は長い。
 
その日も混雑して、診察室からかなり離れているけれどやっと空席を見つけました。
受付番号の掲示板がかろうじて見える場所。
座るスペースは私の隣に一つだけ空いていました。
 
そこに、おじさま(おじいちゃん)が座りました。
座るや否や、すぐに私に話しかけてきました。
私は普段「話しかけるなオーラ」を放ってるのですが、効果が発揮されなかったようです。
 
おしゃべりすることになったのは、初めてです。
いつもは何か尋ねられたら答える程度です。
(ベテラン患者ですから、治療以外のことならだいたいお答えできます)
 
最初はマイナカードの顔認証ができなかったことが不思議だと、
「そういうことがあるのか?」と聴いてきました。
私は、いつもは顔認証できていたのですか?とか
私も同じことあります、だから暗証番号にしていますよ、とか
病院はマスクしてますからね~など。
(実際はもっといろいろと相談されて長い会話でした)
 
次に自分の病歴を楽しそうに話しだしました。
「ここには口腔外科や眼科や3つの診療科に来ている、その前には泌尿器にも来ていた」と。
 
全部ひっくるめて聴いていたら、
あ、なるほど。
前立腺がんで骨転移があって、
ランマーク治療してたら副作用で顎骨壊死になったんだ。
 
「歯は大変だった、グチャグチャだったよ」
「先生にもっと早くその症状を教えてくれたら対処できたのにと言われたよ」
「泌尿器の手術はもっとイヤだったなー。ホントにイヤだった」
と、手術の様子を話してくれました。
(へえ、前立腺の手術ってそうなんだ)
 
がんとは口にしなかったけれど、分かる、分かるよ~。
そして眼科を済ませて帰っていきました。
私は、乳腺外科の他にランマーク注射と呼吸器外科が残っているので、
まだ終わりません。
それなのに、
最後の会計で再会してしまいました。
 
なんとなく視線ってわかりますね。
会計を待っていると、誰かが近づいてくる雰囲気を察知しました。
顔を上げるとあのおじいちゃんが、
確かに私に向かって歩いてきたのです。
 
おじいちゃんも眼科の他にいろいろと行ったのでしょう。
そうでなければ会計で会うわけがない。
また隣に座って話の続き。
今度は、薬局はどこに行っているかという話です。
病院ライフを楽しんでいるおじいちゃんでした。
 
おじいちゃんと会話して、
実際に顎骨壊死になる人がいること、前立腺がんの転移先は骨が多いということを知りました。
たまにはおしゃべりするのもいいなと思った出来事です。
 
話題と全然違う画像ですが、
長い待ち時間には、ティータイムが欲しいものです。