初発の頃の話⑧
本で得た情報では、術後は腕が上がらず大変だとか。
痛いから大事にしているとホントに上がらなくなると書いてあったので、
入院中からせっせと自己流のリハビリに励みました。
退院してからは、実生活でのリハビリです。
朝ごはんに卵焼きを焼くのに、フライパンを持ち上げることが出来なかったのには驚きました。
車の運転するのにハンドルまで腕を伸ばすのが辛いとか、ハンドルを回す時も痛いとか、
話に聞いていた「洗濯物を干すのに腕が上がらない」だけではなく、
予想以外のところで腕って使うものです。
怠け者の今では考えられないけれど、当時は退院して初日から通常の家事をしていました。
おかげさまであっという間に日常に戻り、
日常でないことは唯一、抗ガン治療が始まることだけでした。
あの頃
心から願ったのは、
お願いだから注射が苦手な人は、この部署に配属されないで。
注射が上手な看護師と苦手な看護師の腕がこうも違うとは・・。
(それまでは滅多に注射をする機会もないのだから知る由もありませんが)
いつも3~4度刺されていたので、あれから注射嫌いになってしまいました。
どんどん血管は細くなり、いつも採血する血管が隠れていきました。
ますます看護師泣かせの血管になっています。
初日は赤い点滴の色や点滴を送る機械を見て、ほんと怖かったです。
でもいつの間にか慣れきって、点滴中は寝ていたっけ。
漫画を持ち込んだこともありました。
点滴が始まり、1分くらいで口の中が薬剤の匂いになります。
イヤだけど、その匂いで抗がん剤が身体を巡っているのを感じていました。
(造影剤も匂いがしてきますね)
看護師さんとも顔見知りになり、行けば楽しい(?)けど、
とにかく早く終わらせたいために、仕事と思って通ったのが思い出です。