化学療法を受けると決めるまで | 小さな花のひとりごと

小さな花のひとりごと

乳がん再発の心の動きを綴っています。
現在、肺、縦隔、骨に転移していますが、治療のおかげで元気に過ごしています。

初発の頃の話⑦
 
楽しみにしていたはずの退院がちっとも面白くない。
 
退院って、清々しいはず。
何とも言えない解放感で楽しくて、景色まで違って見えて、生きてる喜びを感じます。
 
でも今回は、次に病院に来るときは
「抗がん剤やります」と不本意だけど、自分の口で言うつもり。
自分で言うからにはもう逃げられない。
 
退院したら行く予定だったランチも、味はわからず完食もできませんでした。
娘からは
「ママ、なんか元気ない?」と心配されるくらいのどんより。
 
それからは、今まで触りもしなかったパソコンに目覚めました。
訳もわからず憂鬱になっているだけじゃ前に進めない、
抗がん剤治療とはどんなものか、
相談する機関はどこかにあるのか、
私のように悩む人はいないのか、
初めて我家のデスクトップに触ってみることにしました。

 大きな患者会に電話したこともありますが、返事は冷たいものでした。
患者会ってこんなものかとガッカリしました。
 
ある日、子ども達の部屋を掃除していたら
「ママ死なないよね」と書いてあるメモが出てきました。
私は自分のためだけに生きてるわけではないことに気付かされました。
 
数年して高校に入る時には、駅に送り迎えしなくちゃ、お弁当も作らなくちゃ、
小さなことですが、私がやらなくて誰がする!
 
こうなったら、万が一再発しても悔いが残らないようにとことん治療しよう、なんでもやろうと決意。
(他にも背中を押してくれた言葉はありますけど)
 
それからは
早く抗がん剤を終わらせるのが目標になりました。
パソコンの検索も、治療を乗り越えた人の体験談が中心になっていきました。