初発の頃の話②
主治医はちょっぴり触診しただけで、すぐに検査を看護師に指示しました。
マンモグラフィやエコー、胸部レントゲンなど。
ひと通り検査が済み待合室に戻りました。
すぐに呼ばれるかと思いきや、また長く待ち時間が流れます。
やっと診察室に呼ばれました。
「家族は来てる?」
あ…友人ですが呼んでよろしいですか?
先生は誰もいないよりマシかという表情ですが、友人を診察室に入れました。
ガンと聞くだけで倒れそうな気の小さい友人を診察室に呼んで
彼女は、不本意ながら心の準備もないまま、私への告知を共に聞かされてしまいました。
ごめん。
次は家族と来るように、とも言われました。
すでに主治医の頭には
ガン確定&すぐにも手術。そこに進む勢いがありました。
その時の私は、
今すぐには無理、子供達の夏休み頃に伸ばせないか?と呆れたことを主治医に言っていました。
自分の予定よりも子供達の予定が優先でした。
自分の都合で子供達が困ることがあってはいけない、それしか考えられなかったのです。
主治医は、
「あのね、ガンを軽く見たらダメだよ。このまま放っておくと肺、肝臓、骨、脳に転移するんだよ。
手術ができるなら、先に延ばすことは考えられないんだよ」と図解しながら説明してくれました。
あの頃、ガンの知識はゼロでした。
放っておくと転移する…初めて知りました。
取れば終わり。抗がん剤は特殊な人が受けるもの。
放射線?なんじゃそりゃ。
それくらいの無知。
だって自分がガンになるわけがないと信じていたのだから。
夏休みがダメなら、
修学旅行の準備をしてあげたいからそれまでに終わらせたい、と今度は早くしてくれと頼んでいる自分。
今の私では考えられないワガママを主治医に言っていました。
お医者さんって大変。
それでも主治医は「修学旅行はいつ?」と、
そこに標準を合わせて、手術日とそれまでにする検査をどんどんカレンダーに詰め込んでくれました。
結果的に、すべてが予定通りに進行しました。
すごいスピード感です。
先生に感謝しかありません。
初めて診察してから、手術までが1か月足らず。
その間に、全ての検査を済ませ、有無を言わせずに手術に進んでいきました。
こうなったらからには
禍々しいヤツをさっさと切り取ってもらおうと、
むしろ1か月先の手術で遅くない?と思うくらいに考えが変わりました。