一番好きなものは、いちご | 小さな花のひとりごと

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乳がん再発の心の動きを綴っています。
現在、肺、縦隔、骨に転移していますが、治療のおかげで元気に過ごしています。

ずいぶん前の話(13年くらい前)ですが、
かつてパートで働いていた頃、繁忙期だけ臨時にお手伝いに来てくれる人がいました。
 
その彼(←男性でした)が「死ぬ前に食べたいものは何ですか?」と訊いてきたことがありました。
彼は、「私は‟ゆかり”です」と即答していました。
ゆかりで白いご飯がいくらでも食べられると。
なんだ、その程度の食べ物でいいのか。
それならと「いちご」と答えました。
 
なぜそんな話になったかと言うと、私の好き嫌いが多いことから始まっています。
ほとんどの人が好きであろう高級食材が食べられない、という会話から発展したのです。
それからは、自分の好物は迷うことなく「いちご」と答えるようになりました。
 
昨年、呼吸困難で緊急入院し、退院した直後に行ったのもいちご狩り。
いちごを摘みながらあの時の会話が蘇りました。
あ、私。死ぬ前にちゃんといちごを食べてる。

1年後、またいちご狩りに行きました。
やっぱり美味しい!絶対に美味しい。
好きなものは「いちご」「一番美味しい」とずっと言い続けていたいです。