長い一日② 救急診察、入院。 | 小さな花のひとりごと

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乳がん再発の心の動きを綴っています。
現在、肺、縦隔、骨に転移していますが、治療のおかげで元気に過ごすことができています。
やれることをやれるうちに。

2023年1月、緊急入院の続きです。

紹介状を貰って救急受付に行くように言われた私は、すぐに診て貰えるものと思っていましたが、実際は次々にくる救急患者の合間に診てもらっていたようです。

 

問診があり、しばらく待たされた後にレントゲンとCT撮影。

また長い待ち時間。

やっと診察室から医師が私の名を呼びました。

歩いて診察室に向かう私を見て、医師が「あら、意外と元気なのね」と最初のひとこと。

それはCT画像からもっと弱った私を想像したのか、それとも救急だからこそ歩けない私を想像したのか分かりませんが、印象に残った言葉です。

その時は、息が戻ったのでまったく普通に歩けていました。

この時点ではクリニックの医師に心不全か肺炎と言われて来ています。

 

診察室では画像を見ながら説明を受けました。

問診では過去に乳がんを経験していることを話しています。しばらく検査をしていなかったこと、いつから検査していないのか、なぜかやたらと乳がんのことを聴いてきます。

心不全でなくてガンだとわかるように誘導されたような絶妙な説明でした。

 

肺のCT画像を見ながら「こんなにあるんだよ。大きいのや小さいのや、心臓の周りや他の場所にもバラバラと」。

…私は検査を長く怠ったことを恥じました。

ガンが再発したことのショックよりも、「なんでちゃんと検査をしなかったのか」と責められているようで穴があったら入りたいと小さくなっていました。

医師は「乳がんから20年だもんね、検査しなくても仕方ないね」と、小さくなった私の居場所を作ってくれました。

真っ白な肺は、肺炎でなく胸水が満タンに溜まり、心臓も心不全でなく心嚢膜に水が溜まっていたからでした。

 

救急担当の先生が、さらに大きな専門病院を2カ所連絡を取ってくれましたが、どこもコロナのこともあり断られました。

総合病院でも私の現状は手に余るのかと、これから自分に何が起こるのか得体のしれない不安でいっぱいになっていきました。


今の息苦しさを解消するために胸水を抜き、経過観察のために入院を余儀なくされました。

医師に背を向け針をさし、水を抜きます。よほど溜まっていたのでしょう、胸水が背後で音をたてて何かに溜まっていくのが分かります。

動くと針が肺に傷をつけるのでじっとしているため、残念ながらその様子は見られません。

 

そとは真っ暗。何時間救急の診察室と待合室にいたんだろう。

朝は仕事に行く気だったのが、夜は入院患者です。

少し前まではウォーキングやお城巡りの旅をしていたのに。。


入院すると、乳がんの再発という現実はすんなり受けいれていました。いままでの不調は全部そのためだったのかと疑問が解消できたからです。

それまでまったく再発を疑っていなかったのが笑えます。

(ただしこの時点ではガン細胞を調べていないので再発だろうという見解です)

 

この文は、2023年8月に書いているため、1月末の記憶が曖昧になっています。

今、ガンがあちらこちらに散らばっていると書いていたら、改めて告知されたようなショックが走りました。

骨転移もあることが8月時点のCTで知りました。

すでに骨転移があったのが分かっていても医師が教えてくれなかったのか、それとも8月に分かったのか・・

書きながら、あっちもこっちもだなぁ、いくら元気でも末期は末期なんだよね、とがっかりしています。

でも、今の私は末期のくせにとても元気なのです照れ