文教・民生の各常任委員会は、お昼の休憩前に終了。
6月議会は、案件が少ないうえ、時期的に”心ここにあらず?”なのか、
付託案件外についても議論が少なく、両委員会は昼食前に終了。
◆6月7日(月)文教常任委員会(おもな議論)
*自転車の安全講習の実施について・・・3年前に市内の中学生が自転車事故で亡くなり、そのご遺族が自転車の安全教育に役立ててほしいと寄付の申し出をいただいた。そのご遺族の意志を尊重し、小1~中3までを対象に自転車の安全講習のデジタル教材を作成するためなどの補正予算が計上されました。
私も2月議会で、自転車の安全講習や学習は一部の学校だではなく、どの子にも公平・平等に安全教育がゆきわたるようにと要望していたので、市の方向で進められていることは評価したいと思います。
二度と悲しい事故に遭わないよう、被害者にも加害者にもならないための取り組みを、という意見も寄せられました。
*金環日食の日、登校を1時間30分繰り上げて、観察授業をおこなったことについて
当日、わき見運転などの事故への懸念、理科への関心をはぐくむ、などの目的で全小学校で7時登校が実施され、子どもたちには観察グラスが全児童に配られた。
この授業の意義は大きいですが、共産党議員から早朝登校が、各学校からの提案ではなく市教委からの指示で行われたことに対して、大阪府教育基本条例、同職員基本条例制定との兼ね合いで、懸念するという意見がありました。
*箕面版学力・体力・生活状況総合調査について
国が実施するテストとは別に、箕面市独自のテストを小1から中3までに全学年で実施。
また、テストは業者が作成するものを用い、採点・分析も業者が行います。
このテストの目的について、市は総合的な到達度の把握による教員の指導力・授業力の向上、学校別・学年別・個人別のデータを蓄積させることで、経年変化を見ることができ、継続的な子どもの総合力の育成を進める、としています。
しかし全国学力学習状況調査の結果データがあり、課題は明確になっています。
また、家庭環境と学力との相関関係なども明らかになっていますが、
就学援助や奨学金制度は改悪されたままになっています。
また、複雑な家庭事情に対応するためには、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーを増強するなどの課題もあるかと思います。
日々のミニテストを実施することで、担任は一人ひとりの子どもたちの苦手な個所をつかむことができ、即座に授業改善に生かすことができますが、
到達度のテストを1月・2月に実施しても結果が出るころには、もう新学期となってしまい、タイムリーに授業に生かすことにはならないでしょう。
さらに、このテスト結果がことさら重視され、芸術分野はますます軽んじられるかもしれません。
体育もこの体力テストが重視されれば基礎体力のアップに力点が置かれ、
スポーツマンシップやチームワークづくり、あるいはスポーツを楽しむことから遠のいてしまわないかと憂慮します。
子どもたちをテスト漬けにし、学校や学級ごとのデータは開示請求の対象にならないのか、
といった観点からの議論はありませんでした。
なお、学校生活アンケートは市教委と学校が作成し、学校が集計するとのことですが、
生活状況調査は民間業者が分析まで行うので、前者と後者のアンケートはリンクしないようです。
いじめの問題は根が深く、まこのような一斉アンケートで、どこまで本音の部分が聞き出せるのか・・・
委員会を傍聴していて、よい意見交換もありましたが、まだまだ議論が尽くせておらず物足りなさを感じました。
ある委員が「なぜ苦手科目があるといけないのか?」という質問に対し、
「劣等感を持たずに強く生きていけるように」という市教委の回答がありました。
また、下学年のクラスで授業を受けている子は、保護者と相談してテストを受けるか否かを決める、とのことのようですが、学校生活アンケートをどうするのか、
彼らへのきめ細かな指導はいったいどうなるのか、
生きる力はどのように育むのか、という課題は議論にもならず、傍聴していてシラケてしまいました。
「共に支えあい、生きる」教育が後退しないよう、今後も注視していきたいと思います。
また「分かる子が、分からない子に教えてあげる」ことで、教える子にとっても、問題の整理ができ、分からない子も子どもの目線で教えてもらうことによって、理解がアップする、という取り組みをおこなっていた犬山市の視察が思い浮かびます。(もう4年くらい前のことでしたが)
生き生きと、はつらつとしていた子どもたちの輝きが忘れられません。