イスラエルとパレスチナの悲しく深い溝。
死者はすでに800人と言われ、その4分の1は子どもだということ。
けが人は3000人を超えているだろう、という報道に胸が痛みますが、もっとも驚きなのが
イスラエルの90%の人々がこの攻撃に賛成しているということです。
ユダヤ人は悲惨な体験から人権や命の大切さを学んだはずなのに、今、罪もない人々の自由を奪い、殺戮することについて、政府のみならず民衆までもが肯定できるのは何故なのか。
爆撃はハマスがいるところまでは届かず、非武装の民家や学校、病院が爆撃されていますが、
イスラエルの民衆は「そこへ民衆を住まわすハマスが悪い」という。
363平方キロメートルの東京23区や横浜程度の面積に150万人もの人々が暮らしており、世界最大の人口密度だと言われています。
イスラエルの監視下でガザ地区から外へは出られない非常に不自由な状態。失業率も70~80%と言われ、ガザ地区外へ仕事に行くことさえままならないという状態です。
大人と子どもほどの武力差があり、圧倒的な力を持っているイスラエルはアメリカの支持も得て、
国連が何を決めようが、国際世論が何であれ、おかまいなし。
パレスチナも生きるためには武力の差を埋めるためにテロ化して対抗せざるえを得ない、という泥沼の状況になっています。
何故、共存できないのか。
長年にわたって肉親を奪われた恨みの連鎖で、お互いが相手を許容できない感情に支配されているのではないでしょうか。
今回、イスラエルの穏健派政府は選挙で勝つために、民衆の思いに迎合するかたちで武力侵攻が行われています。
お互いに殺し、殺され、ということが常態化すれば、もはや政府もコントロールできないということの現れではないでしょうか。
「武力による問題解決」を唱える人がいますが、実際に殺し、殺され、報復が続けば、もはや話合いによる解決の余地がなくなってしまう、ということを肝に銘じるべきではないかと思います。
とはいえ、パレスチナ問題は根が深く、今となっては一筋縄ではいきません。
アメリカの同盟国である日本が、国際社会のなかで冷静に平和外交を推し進めるために何を為すべきか真剣に議論すべきであり、憲法9条が錦の御旗になるはずなのですが・・・
とにかく民衆の声をあげること、日本の政府を変えていくこと、きたるべき衆議院選挙で、平和に取り組む国会議員を選ぶこと・・・少し飛躍しますが、そんなところに行き着いてしまいます。