憲法25条「生きるための権利」の基準とは?
国は生活保護費の支給を減らすために、基準を押し下げようとしていますが、昨日の広島地裁の判決では、生活保護費の老齢加算やひとり親家庭の母子加算を削減することに対して、裁判所がお墨付きを与えたということになります。
老齢加算(1万7930円)は2006年に廃止され、今年6月に東京地裁で「妥当」と判断されましたが、取り消しを求める原稿の請求は却下されました。
そして昨日、母子加算(16~18歳は2007年に廃止、15歳以下も昨年度から減額され来年度は全額廃止が決まっています)についても取り消し請求が退けられました。
昨日の朝日新聞報道によると、1ヶ月5万円余りの保護費と2万1400円の年金でひとり暮らしをしているお年寄りのAさんは、家賃や光熱費、薬代などを差し引くと5万円も残らない。さらに冬場は灯油代もかさむため、食事代を切り詰めたために体重を10㌔減らしたそうです。唯一の楽しみだった肉じゃがもあきらめ、友人のお香典3千円も用意できず、無念な想いは想像に余りある・・・そんな状態でも、1万7930円の老齢加算は必要なし、と判断する国や裁判所には血も涙もないのか、と怒りがこみ上げてきます。
本日、厚生労働省は職場を追われた非正規労働者がこの秋から年度末までに八万五000人に上る見込みであると発表しました。大阪では1311人の非正社員が失職し、56人の新卒が内定取り消しになっているらしいですが、実態はもっと数字が上がるのではないでしょうか。
吹田市など、自治体が雇用促進にのりだしています。
人が大切にされないこの国の未来が見えません。
愛国心や道徳教育を推進するよりも先に、弱いものを虫けらのように扱う風潮、「命」や「生きること」が重視されない社会を、憂うべきだと思います。