「弱者」にも一律負担を強いる厳しい超緊縮財政改革案。
市長が指示した「箕面市改革特命チーム”ゼロ”」は、副市長をリーダーに庁内の職員で構成されたチーム。今後5年間の箕面市の財政見通しを分析し、財政の建て直しのために約900の事業をゼロベースで見直しをかけ、廃止・削減案の提案をまとめ、本日詳細説明が行われたものです。
説明に1時間、質疑に1時間というものでしたが、内容が内容だけにも確認しなければならないことが多く、今後市民とともに議論を深めていかねばなりません。
改革案の目的は、
①来年度からの5年間で、財源不足を解消し、基金依存から脱却する。
②5年かけて、経常収支比率を100%以下に抑える。(わかりやすく言えば、収入に対して必要経費の割合を100%以下に抑える、というもの)
箕面市はこれまで「集中改革プラン」という行財政改革案をつくり、一般会計規模を毎年圧縮してきました。しかし、三位一体改革で地方に財源移譲されるはずだった交付金は「不交付団体」としてもらえず、臨時財政対策債も2年後には廃止予定となっているため、非常に厳しい財政運営を余儀なくされています。
この改革チーム案は、
●基金を5年間で76億円取くずし、
●財政規模を約21億円縮小し、
●歳入(収入)を毎年1億円アップさせる、 というものです。
そのために、5年後に向けて 人件費 5億円
扶助費 5千万円
事務事業 3億1千万円
補助金 3億7千万円
施設の統廃合や企業会計の繰り出し金ほか 9億6千万円
の削減をはかろう、という内容です。
また、毎年議論をかさね、アップデートされたものが予算案に反映されるとのことです。
これらの廃止・削減対象には、
●人件費 4億1000万円
●児童・生徒の就学援助 約1千700万円
●障害者・ひとり親医療 約2千500万円
●市営葬儀の見直し 約730万円
●タッキー多言語放送 約550万円
●歯科検診や在宅寝たきり高齢者歯科検診 約1千800万円
●長寿祝い金 約850万円円
●老健施設委託料 約7千600万円
●福祉予約バス・Mバス 約4千700万円
●私立幼稚園児保護者補助金(高額所得者)6千900万円
●外郭団体や地域団体への補助金 3億7千万円
●保育所保育料 約9千900万円
●公共施設使用料 約1千200万円
●図書館の再編統合 5千500万円
●リハビリセンターの見直し等 5億4円万円
●奨学資金 1億円
●民間温水プール一部借り上げ等 2億円
●上下水道の福祉減免 約2億円
●国保への一般会計からの繰り出し 30億円
などなどが提案されており、そのほかにもっと多数の廃止・見直し案が提起されています。
また、乳幼児医療費助成は所得制限を撤廃し、対象年齢を拡大。妊婦健康診査も助成が拡大などをはじめ、子育て支援事業が重点施策にあげられています。
この日の説明会では、
●市民への丁寧な説明や意見交換
●担当部局との意見のすりあわせや、意見の取り入れ方
●市長の公約との整合性
●次期総合計画との整合性
●削減ありきのみではなくプラス思考でのサービスアップ策
●総論賛成、各論反対となりがちになるため、充分な議論や対案の提示
などの質問や意見があり、とにかく今回の提案はたたき台であり、今から議論をしっかり開始しなければならないことが確認されました。
とはいえ、すでに12月議会の委員会は終了し、一般質問の通告も終わっています。
2月になれば2009年度の予算が提案されてしまいます。
改革案は明日プレス発表され、市のHPや施設で閲覧できる、とのことですが、
今のままではやはり市民が知らないうちに進んでいきそうです。
市に対して、説明会や希望者には資料が配布されるよう要望していきますが、
これからの暮らしやまちづくりに大きく影響することなので、多くの市民のみなさんが関心をもっていただき、議論の輪に加わっていただきたいと思います。
「改革案」はまだまだ不明な点や確認しなければならない箇所もあるため、今後も調査し、また皆さんにお伝えしていきます。