22日の文教常任委員会。 | ■tomoko blog

■tomoko blog

中西とも子の日々の活動や、思い、お知らせをタイムリーにブログで発信します。

全国学力・学習状況調査の市の平均正答率の公表問題で明らかになった教育委員会の没主体性。

昨日の文教常任委員会では、学テ問題について、市教委は
①市の平均正答率の公表は府知事の意見にかかわらず、市独自で決定した
②市民への説明責任
という点を強調したが、
①については誰がどう考えても、橋下府知事の意向に端を発して急遽方針変更が行われたことは誰も否定できない。
②についても、市民の「説明」はもっとほかにすべきことがいっぱいあるはず。市の平均を公表したからといって、学テの結果が分かりやすくなるはずもなく、全国平均よりも箕面市平均点が何点上かが明確になったところでどうだというのか。
これまで「市や学校単位の平均正答率の公表は行わない」と再三言ってきた市教委の方針がなぜ180度、覆ったのかを明確に説明できないのに、「何を言う!」である。

すでに子どもらには9月9日に採点結果は返却されており、全国平均の正答率も各設問ごとに表記されている。子どもたちは全国の平均と照らし合わせて自分の弱点を自覚することは可能だ。
市のレベルについては昨年度は文章による表現で公表されていたが、今回はそれを具体的な数値に置き換えるということになる。

一見「それくらい公表したところでどうってことはない。はっきりしていいではないか」と考える人は少なくないだろう。しかし、今回のテストは国語と算数(数学)の2教科のみで、も文化省も「学力の一部」としているが、数値のみが一人歩きし、自治体間で学テの結果に一喜一憂し、とにかく点数を上げていくことに心血を注ぐことになるだろう。50億以上もかけ、また分析に時間をかけるならば、もっと教員を増やし、すべての子どもが基礎学力を身につけることや一人ひとりの個性や人間性を豊かにすることに、お金と時間をかけられるようにすべきではないのか。

学習状況調査では、生活環境と学力との相関関係も明らかにされたが、テストの結果を待たずとも、わかりきっていることばかり。朝食をとり、早寝早起きやTVを長時間見ないなど規則正しい生活をおくっている子の方が成績がよい傾向にあることはいうまでもないことだ。
格差が広がり、親自身がすさんでいたり余裕がない家庭の子どもたちが増えている今日、政策的に何ができるのか、もっと真剣に議論すべきではないか。
フェアな「競争」が成り立たなくなっている構造を根本から改善していくことが先決だと思う。

校長会や教職員組合、障がい者団体、政党、市民などから公表に反対する意見が市教委に寄せられていた。現場や市民の声を無視し、市議会の議論を待たずして拙速に「数値公表」を決めた市教委や市長の圧力は「市民の声をきく」という姿勢とは言いがたいし、市民に対する説明責任もはたしているとは言いがたい。

今回の箕面市の対応に対して、自民党・神代委員は賛意を示し、主党・川上委員は市の平均正答率の公表に肯定的。公明党西田議員は「学校単位の公表」もすべきとほのめかした。


「競争」ではなく「共生」を目指す教育、ひとり一人に「生きる力」をつけさせる教育が崩れていかないよう、市民のみなさんとともに注視していきたい。