[注]令和7年1月20日から、マイナポータルでの事前設定ができている事業主及び雇用保険の被保険者は、マイナポータルで「離職票」を受け取ることができるようになりましたが、以下では従来の方法による離職票の送付等で話を進めます。
【1】労働者(被保険者)が離職した場合の手続
毎年3月31日は、年度末ということもあり、会社等を離職する人が少なくないと思います。
ここで簡単に復習をしてみましょう。
離職しようとする労働者(被保険者)が「離職票」の交付を希望した場合(※)においては、事業主は、離職の事実のあった日の翌日から起算して10日以内に、「雇用保険被保険者資格喪失届」(資格喪失届)に「雇用保険被保険者離職証明書」(離職証明書)及び賃金台帳等を添えて、事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長(所轄公共職業安定所長)に提出しなければならないとされています(※※)。
※ 被保険者が離職日において「59歳以上」である場合には、その者が離職票の交付を希望しないときであっても、資格喪失届に離職証明書等を添える必要があります。
※※ 資格喪失届等は、年金事務所を経由して提出することもできます。
例えば、3月31日付けで被保険者が離職をした場合、事業主は、離職の事実のあった日(被保険者資格喪失日=離職日の翌日=4月1日)の翌日から起算して10日以内、すなわち、翌月の「4月11日」までに資格喪失届等を提出しなければなりません。
多くの場合は、離職してから1週間後くらいで自宅に「離職票」が送付されてくるだろうと思われます(「会社まで取りに来い」なんてところもあるかもしれませんが…)。
ところが、事業主又は労働保険事務組合等の手続遅延等により、待てど暮らせど「離職票」が送付されてこない場合がたまにあります。
令和7年4月1日以降に生じた離職については、自己都合退職における「給付制限期間」が「2か月」から「1か月」(原則)に短縮されたとはいえ、基本手当を受給できるのであれば、1日でも早くもらいたいですよね(※)。
※ 離職前1年以内に自ら教育訓練等を受けていた場合には、給付制限が解除され、待期が満了した後の日は、基本手当の支給対象となります(令和7年4月1日施行)。
[注]自己都合退職における給付制限期間が「1か月」(原則)に短縮されるのは、離職日が令和7年4月1日以降にある場合です。自己都合退職による離職日が令和7年3月31日の場合における給付制限期間は、改正前の「2か月」(原則)のままとなります。
【2】受給資格の仮決定について
いつまで待っても「離職票」が送付されてこない場合には、「受給資格の仮決定」を行うことができます。一般的には「仮手続」と言われるものですが、ハローワーク職員は「仮受付」と呼んでいます。
○受給資格の仮決定の手続は、正規の「受給資格の決定」に準じて行われます。
⑴ 正規の「受給資格の決定」とほぼ同様の手続になりますから、顔写真、預貯金通帳、マイナンバーカード等を持参して、管轄公共職業安定所に出頭します(あらかじめ持参すべきものを管轄公共職業安定所に電話してメモしておきましょう)。
⑵ 「受給資格の仮決定」は、やむを得ない理由がある場合に限り、例外的に行うことができるものですが、この「やむを得ない理由」として挙げられる「離職票の交付遅延」については、原則として、被保険者資格喪失日の翌日から起算して12日目以降が交付遅延に該当するものとされています。例えば、3月31日が離職の日だとすれば、翌月の4月12日以降に「受給資格の仮決定」を行うことができるというわけです。
⑶ 受給資格の仮決定が行われた後、事業主から「離職票」が送付されてきたときは、直ちに管轄公共職業安定所に出頭し、離職票を提出するとともに、正規に「受給資格の決定」を受けなければなりません(※)。
※ この点、自宅から管轄公共職業安定所までの距離等が遠い人は、二度手間になることがありますので、気をつけてください。
⑷ 「受給資格の仮決定」を受けてから正規の「受給資格の決定」を受けるまでの期間については、基本手当の支給は行わずに、失業の認定のみを行います。
なお、正規に「受給資格の決定」があったときは、その効力は「受給資格の仮決定の日」に遡及します。例えば、待期期間は「受給資格の仮決定を受けた日」に遡って、その日から7日間となります。
以上、「受給資格の仮決定」について簡単に述べましたが、詳細については、↓「雇用保険に関する業務取扱要領」を添付しておきますので、そちらをご参照ください(38ページ)。
■雇用保険に関する業務取扱要領(50202:受給資格の仮決定)
https://www.mhlw.go.jp/content/001389621.pdf
《別途資料》

